アメリカ出入国に関するよくある質問(その1)
弊社ではアメリカのビザ保持者によるアメリカ国外への出国及びアメリカ入国に関わる様々な質問を受けるのですが、その中でも代表的な質問事例及びそれに対する弊社の回答を紹介します。
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(質問) 私のパスポートに貼付けられてあるビザ査証の有効期限が切れそうです。切れる前に更新しなければならないでしょうか?
(答え)いいえ。もしあなたが移民局へのビザ申請の際に提出した書類の内容に対して偽り無く正当に雇用をし、十分な滞在期間が残っている状態において、特にアメリカ国外へ出国される予定が無いという事でしたら、ビザ査証をあえて更新申請する必要はありません。ただし、今後アメリカを出国し、現在のビザ査証の有効期限より後にアメリカへそのビザステータスで戻ってくる事を計画している場合、有効なビザ査証が必要となりますので、更新申請が必要です。
皆さんの中には混乱している場合が多いのですが、パスポートに貼り付けられている写真付きのビザ査証とパスポートにホチキスで留められている白い小さな紙(I―94)の意味合いを取り違えているようです(なお、2013年4月以降、空路等でアメリカに入国した場合、I―94は電子化処理され、直接政府のデータベースに情報が登録されるため、紙媒体のI―94は受け取っていないはずです)。あくまでもビザ査証はアメリカ入国時に有効であるべきもので、その期限はアメリカでの滞在期限を示すものではありません。一方で、I―94に記載される期限がそのビザでのアメリカでの滞在期限を示すものになります。ちなみにF―1やJ―1ビザなど特定のビザの種類によっては滞在期限にD/Sと記され、これは、別途学校やスポンサー期間から発行されるI―20やDS2019に基づいて、正当に学校に通っている、またはトレーニングやインターンシップを受けている限り、滞在は有効である事を意味します。無論、例えばF―1の学生であれば、単に有効なI―20があれば、滞在違反にならないと考えている方もいるようですが、正確には、しっかりと授業料も支払い、定められた時間割できちんと授業に出席している事は大変重要です。(次回に続く)
(次回は7月第2週号掲載)
〈今週の執筆者〉
弁護士 デビッド・シンデル(David S. Sindell – Attorney at Law)
NY、NJ州公認弁護士、NY弁護士会会員
アメリカ移民法弁護士協会会員
1994年NYマンハッタンにシンデル法律事務所を設立。移民法を専門に扱う。以後1万件以上のビザ、永住権等の取得実績を誇る。2011年4月にはCA州シリコンバレーにもオフィスを設立。NY、CA、日本を中心とした法律セミナーの多数開催をはじめ、多数の日系情報誌にも法律記事を連載中で、在米日本人を中心に広く好評を得ている。米国在住の日本人とも交流が深く、米国を拠点に直接日本語で法律相談にも応じている。
〈今週の執筆事務所〉シンデル法律事務所 7 W. 36th St., 14Fl. NYC Tel:212-459-3800
Email:slony@sindelllaw.com Web:www.sindelllaw.com