H、L、O、P、Q非移民ビザ申請の情報確認
米国国務省は非移民ビザ申請の承認を確認するための新たなシステムについて、米国領事館及び米国大使館へ通知しました。PIMS(申請情報管理サービス)と呼ばれる新たな電子システムは、米国領事係官が非移民ビザを承認するか否かを決定する際に詳細情報にアクセスできるシステムのことです。係官は移民局へ申請された全てのI―129申請(H、L、O、P、Qビザ)の承認の証明となる初期情報として、PIMSの情報を使用しなければなりません。
本システムはケンタッキー領事センター(KCC)で作成され、システムについての案内はForeign Affairs Manual(9FAM41・53手引書)に記載されています。電子PIMS申請レポートにはスポンサー、申請、申請者の全ての情報が網羅され、また2004年以降承認された申請のスポンサー情報がKCCによって全て入力されています。
今後KCCが領事館へ承認された申請のコピーをスキャンして、電子メールで送ることは無くなるでしょう。領事館が特定の申請情報を見つけられない場合はPIMS@state.govへ電子メールを送ります。KCCは当該申請の承認を捜索し、2営業日内に情報を確認します。領事係官は承認されたI―129及びI―797をビザ面接日を設定する際に、証拠として提供します。しかし、PIMS記録は申請の承認決定に使用される証拠の第一または主要資料となります。
そのうちに米国領事館や米国大使館は各自のコンピューターでPIMS記録にリンクし、自動的に非移民ビザ申請の情報を得ることができるでしょう。新システムは申請の承認、申請および申請者の情報を提供し、その結果、領事部はKCCの記録に情報を追加することができるでしょう。
H―1Bビザと ビル・ゲイツ
ビル・ゲイツが先月、H―1Bビザの枠数増加を推進するべくワシントンDCを訪問しました。彼の訪問は効果的でした。ゲイツ氏の訪問後、下院議員であるラマー・スミス氏(テキサス州保守党員)は、08年10月1日以降の09年会計年度内にH―1Bビザ枠を19万5000件まで増加するようにと議会に法案を提出しました。もう1人の下院議員ガブリエル・ギルフォーズ氏(アリゾナ州民主党員)もまた、H―1B枠数を1年に13万件まで増加する法案を提出しました。現在の枠数は6万5000件であり、米国修士号またそれ以上の学位保持者には2万件の別途枠数が設けられています。
さらに先月、下院ではその他の法案も提出されています。一つは米国博士号を保持する労働者へ永住権を付与する法案、またもう一つは高度技術を保持する外国人労働者対象のH―1Bビザ数不足を解決するという法案です。
これらの法案は、かなりの数の支持者が行動を起こしている という事実の現れです。しかし、読者の皆様はこれら全ての法案が未だ初期の段階にあり、通過したといった様な内容ではないことをご承知下さい。米国の法律はいったん知事と下院を通過し、最後に大統領が署名して初めて制定となります。
残念ながらこれらの法案は、10月1日に開始する09年会計年度のH―1B制限数の救済案とはなり得ないでしょう。
(「WEEKLY Biz」2008年4月25日号掲載)