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今週は「シンデル法律事務所」

家族をスポンサーとした永住権申請 その2

 前回、同性婚、性転換者に対する永住権申請に関する政府の今後の対応について触れましたが、今回はそれとは別に、家族に基づいた永住権申請の種類および、その審査状況について簡単に紹介します(結婚は異性間であることが前提)。
 家族がスポンサーとなって永住権を申請する場合、スポンサーになれるのは、米国市民である配偶者、米国市民である親、米国市民である子供(21歳以上)、米国市民の兄弟や姉妹、永住者である配偶者、21歳未満の子供の永住者である親です。申請は本人とその家族の関係によって優先区分があり、米国市民の家族がスポンサーとなる特定の区分の場合、永住権の発給は年間の割当数に制限がなく、資格を満たしている場合はビザの発給数制限に関係なく申請が進められます。一方で、年間の割り当て数が決まっているカテゴリーは取得までに時間がかかります。
 年間割当数に制限がないカテゴリーは、(1)米国市民との結婚(2)米国市民の子供(21歳未満)、米国市民(21歳以上)の親が該当し、申請内容に特に問題なければ比較的早くx永住権を取得することができます。ただ、申請時点でのステータス次第では審査に長く時間がかかる場合もありますので注意が必要です。
 一方で、年間割り当て制限がある永住権カテゴリーの場合は、1年間の発行数が決められており、それ以上の申請があれば審査期間が長くなり、待ち時間は優先カテゴリーや国籍によってまちまちです。まず、第1優先は米国市民の子供かつ未婚の者(21歳以上)で、年間割り当て数は2万3400件です。第2優先は永住者の配偶者および未婚の子供で、このカテゴリーの年間割り当て数は11万4200件です。更に、この第2優先は2つのサブカテゴリーに分かれ、2Aは永住者の配偶者および21歳未満の子供、2Bは未婚で21歳以上の永住者の子供が該当し、77%は2A、23%は2Bに割り当てられます。次に、第3優先が米国市民の子供で、既婚の者で年間割り当て数は2万3400件です。最後が第4優先の米国市民の兄弟や姉妹です。年間割り当て数は6万5000件で、更に第1優先から第3優先のカテゴリーの割り当てで余った分はこのカテゴリーで使用されます。このカテゴリーは非常に多くの申請があり、永住権の取得までかなりの時間がかかっているのが現状です。
 日本人に対する第1優先から第4優先までの現審査期間は、最近の政府による発表によると、2011年9月時点でそれぞれ約7年強(第1優先)、約3年弱(第2A優先)、約8年強(第2B優先)、約10年(第3優先)、約11年半(第4優先)となっており、例えばフィリピンの第4優先カテゴリーは、約23年待ちというような状況もあるほど多くの申請があります。
(次回は1月14日号載)

(「WEEKLY Biz」2011年12月10日号載)
sindel_faceup〈今週の執筆者〉 弁護士 デビッド・シンデル(David S. Sindell – Attorney at Law) NY、NJ州公認弁護士、NY弁護士会会員 アメリカ移民法弁護士協会会員 1994年NYマンハッタンにシンデル法律事務所を設立。移民法を専門に扱う。以後1万件以上のビザ、永住権等の取得実績を誇る。2011年4月にはCA州シリコンバレーにもオフィスを設立。NY、CA、日本を中心とした法律セミナーの多数開催をはじめ、多数の日系情報誌にも法律記事を連載中で、在米日本人を中心に広く好評を得ている。米国在住の日本人とも交流が深く、米国を拠点に直接日本語で法律相談にも応じている。 〈今週の執筆事務所〉シンデル法律事務所 7 W. 36th St., 14Fl. NYC Tel:212-459-3800 Email:slony@sindelllaw.com Web:www.sindelllaw.com
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