男性不妊で男のギモン
コウノトリのコトバ-生殖医療の現場から 第3回
New Hope Fertility Center Dr. John Zhang
男性不妊についてウェブサイトで調べると堅苦しい説明が書いてあり、不妊検査にネガティブなイメージを持っている多くの男性の足をさらに遠のかせてしまう。男性の不妊原因については第1回で触れたので、今回から2回にわたり、これまで男性から寄せられた素朴な質問を簡単な言葉で回答していきたい。
Q1 若いころに遊びすぎると精子の質は落ちる?
この質問をする男性が本当に多い。精子の質が落ちるとは思えず、むしろ射精を定期的に行っている方が古い精子が排出されるため良いと思われる。ただし、精子の質うんぬんよりも性感染症検査を行うことを勧めしたい。
Q2 射精量(精液量)と精子の質は関係ある?
この質問もまた多く聞かれるが、関係ない。イメージしてほしいのはオタマジャクシと池の関係。池が大きいからといってオタマジャクシが多いとは限らない。また、池が小さくてもオタマジャクシが多く生存していることもよくあることだ。
Q3 精子は空気に触れると死ぬ?
都市伝説のように聞かれる質問だ。答えは「間違ってはいないが、少し違う」。精子は“乾燥”すると死ぬ。ただ、精子は精液内に存在するため、空気に触れてすぐに死滅することはまずない。池が干からびてしまうとオタマジャクシは死ぬのと同様だ。
Q4 採精って何? どうやってするの?
精子(精液)を採取すること。自宅もしくは病院の採精室でマスターベーションによって計量カップくらいのプラスチック容器に採取してもらう。
Q5 採精室について興味深々です
気持ちはよく分かるが、病院によって設備は異なる。私が初めて勤務した病院では1畳ほどの部屋にパイプ椅子とティッシュが置いてあるだけの独房のような部屋だった。現在、当院ではソファ、手洗い場、アダルト雑誌、円滑剤が置いてあり、アダルトチャンネルが見放題になっている。
(次回8月第4週号掲載に続く)
〈クリニック〉 New Hope Fertility Center 世界トップレベルのスペシャリストが集結、ライフステージに合った家族計画をサポートしている。不妊治療、体外受精を望むカップルだけでなく、将来のために卵子凍結を行いたいシングル、ドナー精子、卵子での挙児希望者、また、ドナーとして卵子提供者が利用できるクリニック。2004年の開院以来、多くの成功事例を持つ。米国内以外にロシア、メキシコ、中国にも分院を設立、運営している。
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