ビットコイン
中国でビットコインの相場が乱高下しています。ビットコインとは2009年に開発されたネット上で通用する仮想の通貨であり、国や実体経済の担保なしに私設の取引所で売買が可能となっています。
年初には1ビットコイン10ドル台だったのが秋には100ドルを突破し、12月にはなんと1200ドルを超える暴騰を見せました。10月に入り中国のネットモールである百度(バイドゥ)で決済に使えるようになったため、中国の投資家の売買が盛んになったのですが、あまりの過熱ぶりに中国政府が決済利用を禁止し、元建ての値段が高値の半分以下に暴落してしまいました。ビットコインの取引量の60%が中国人民元建てであるといわれており、まさに中国パワーを見せつけることとなりました。
ビットコインはどこの政府も取引に介入できず、また中央銀行も存在しないため、マネーロンダリング等に利用される懸念があり、課税もできず、既成の金融制度からみれば不透明な面が大きく、米国をはじめとして各国政府が懸念を募らせています。
しかし、中国でのビットコインの過熱ぶりは、世界中がネットでつながり複雑に関連し合う現代社会の中で、逆に人民元の自由化が遅れていること、中国政府の経済活動に対する過度の介入に対して中国国民がいかに不満を持っているかを示すことにもなりました。
ビットコインには最終的な発行額に制限があり、今後の新規発行(ビットコインの場合「採掘」といいます)はますます難しくなる、とまさに金(ゴールド)と似た性格を帯びています。12月につけた高値は下落を続けているドル建て金相場を一時上回りました。果たしてバブルのあだ花で終わるのか、未来の貨幣システムのモデルになるのか、注目です。
(次回は2月第2週号掲載)
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