オバマ大統領訪日
4月23日から25日まで、オバマ米大統領が米国大統領として18年ぶりに国賓として訪日し、安倍首相と日米首脳会談を行いました。国賓としての訪日にもかかわらず、ミシェル夫人は同伴せず、現在の日米関係の微妙な関係を象徴するような訪問となりました。
ウクライナ情勢が不安定なうえ、中国、韓国をめぐるアジア情勢も安倍外交がこれまでになく緊張状態にあるため、米国としても難しい訪日となりました。しかし、巨額の財政赤字を抱える米国が、シリア危機やウクライナ危機でゆれる中東での戦争にお金を使わずに、アジアにおける地位を強固なものにするために時間を使おうとするのは理にかなっているといえます。
今年11月の米中間選挙では、オバマ大統領率いる民主党の形勢悪し、との下馬評が高く、レームダック状態(政治的な影響力を失っている状態)に片足を突っ込んでいるオバマ大統領にとって、これ以上アジアでの軍事的緊張は勘弁してもらいたい、というのが本音でしょう。暗礁に乗り上げつつあるTPP交渉についても何とか妥結の道をつけたい、と優雅にお寿司をつまんでいるような気分ではなかったのではと思われます。
先月も述べたように、現在、領土問題などで日本と対立する中国は世界最大の米国債保有国であり、また世界の外貨準備高のうち30%近い、4兆ドル弱の巨額の資産の持ち主で、米国の貿易赤字相手国となっています。中国が、経常赤字、財政赤字削減を目指す米国にとって重要な国となっている以上、同盟国である日本に中国への配慮を求めてくるのは当然の成り行きなのでしょう。しかしながら、日本も中国に次ぐ第2の米国債保有国であり、安倍首相としても米国の言いなりになるわけにもいかず、難しい外交関係が続きます。
(次回は6月第2週号掲載)
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