ダウンシンドロームは3種類に分類される

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出生前診断8~妊娠第1期:ファースト・トリメスターの検査の意義とダウンシンドローム(2)~

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第43回

どの種類でも追加の21番染色体が特有の症状をもたらす

 

前回(5月7日号掲載)からは、ファースト・トリメスターの出生前診断検査スクリーニングの意義は、妊娠期の早い時期にダウンシンドロームやエドワードシンドロームの可能性を知ることができることをお伝えし、ダウンシンドロームについての説明を開始しています。

ダウンシンドロームに関して医学的な説明をいたします。

ダウンシンドロームは3種類に分けられますが、一番多いケースが標準型21トリソミー(三染色体性)と呼ばれ、21番染色体不分離エラーによるものです。通常は両親から23の染色体をそれぞれ授かりペアとなるべきところ、この21番染色体が三つ存在する状態を言います。そして、一つ多い染色体が、胎児の体のすべての細胞において複製されていきます。95%のダウンシンドロームがこの型です。

一番少ない型はモザイク型で、ダウンシンドロームの1%に当たりますが、正常核型の細胞である46の染色体と47の染色体が混在する状態です。この47の染色体に21トリソミー(21番染色体が3本)が混ざっています。モザイク型の場合は、他の二つのダウンシンドロームの型より、ダウンシンドロームに現れる特徴が出現しないと言われています。三つめの型は、ダウンシンドローム全体の4%の占める遺伝性転座のよるものです。通常、染色体数は46あるのが普通ですが、この遺伝性転座の場合、21番染色体が他の染色体に付着しており、多くの場合は、14番染色体に付着している、ということが分かっています。

なぜダウンシンドロームが起こるかは明確には分かっていませんが、どの種類であっても、ダウンシンドロームのすべての患者に、追加の21番染色体が全ての細胞、もしくはいくつかの細胞に発生しています。この染色体が、正常な成長を妨げダウンシンドローム特有の症状をもたらします。

(さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子)

さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子【執筆者】清水直子(しみず なおこ) 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。

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