高校の成績、課外活動、英語力、意欲や柔軟性、適性などを重視する入試
「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人
大学入試では「グローバル入試」が増加しています。「AO(アドミッション・オフィス)入試」は、従来の教科学力試験の結果を重視する入試とは異なり、高校の成績や課外活動を重視し、小論文や面接で選考する入試方式ですが、「グローバル入試」は、さらに英語力も重視する入試方式です。
出願資格として、TOEFLやTOEIC、IELTS、英検などの英語検定の一定のスコアや合格級が求められたり、これらのスコアや合格級が合否判定に利用されたりします。つまり、英語力の4技能(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)の高い受験生を選抜し、国際社会で活躍できるグローバルな人材に育成しようという意図があるのです。
また、「活動記録報告書」の提出を求める大学もあります。例えば、早稲田大の「活動記録報告書」には、生徒会・地域活動・ボランティア活動等、学芸・弁論:スポーツ等の大会・コンクール・展覧会等、技術および能力に関する資格や科目の秀でた成績について、「その活動を通じて学んだこと」および「それを今後の勉学と将来にどう活かしたいか」を、それぞれ300字以上 400字以内で記入して提出します。また、「活動記録報告書」に記入した活動内容に関して、その活動実績を客観的に証明するため、学校長または活動内容をよく知る者(各種団体長など)の証明を受けた「活動内容証明書」の提出も必要です。
「グローバル入試」では「AO入試」と同様に小論文または論文、面接または口頭試問を課す大学が目立ちます。例えば、首都大学東京は、『小論文は課題に対する考察力、論理性、表現力などを評価する。面接は受験生本人のこれまでの活動内容、国際社会及び専攻を希望する分野に関する知識、関心及び考え方について問い、意欲、コミュニケーション能力、柔軟性、適性を評価する。』と募集要項で記しています。
なお、グローバル入試は、東北大、亜細亜大、昭和女子大、東京理科大、関西学院大などでも実施されています。
(写真提供:名古屋国際中学校・高等学校)
【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校・学習塾講師を歴任。現在は、「米日教育交流協議会(UJEEC)」の代表として、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース、名古屋国際中学校・高等学校、名古屋商科大学の北米担当などを務める。他にデトロイト補習授業校講師(教務主任兼進路指導担当)
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