今月のテーマ「ビジネスシーンでのジョーク」
〈回答者〉
ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング
シニア・コンサルタント
マケンナ・マイケル氏
Q:営業先などビジネスシーンで気の利いたジョークなど使いたいのですが。
米国に来て間もないころは英語を話すことに精一杯で、雑談や場を盛り上げることにまで気が回らず、またそんな自分をもどかしく思うこともあるでしょう。
私もコンサルタント会社に入社して間もないころ、ボスと一緒にクライアントと雑談をしていた時、軽い「gentle joke」としてクライアントの発したフレーズを語呂合わせして言い返し、場の笑いを誘ったことがあります。しかし帰り道、ボスから「初対面のお客さまに冗談を言ったりするものではない。よほど良く知る間柄でないと誤解される可能性がある」と注意を受けました。
米国人はたしかにジョークを好みます。雑談や会食での会話がきっかけで商談がまとまることもありますし、スラングを品良く使った言い回しで自分の気持ちを強調する人も多く見かけます。しかし、日常生活でさえも日本人が間違えやすい英語表現が多く、誤解を招くものも多くあるため、ビジネスシーンでジョークを言うのは少し高度な技と言えるでしょう。
どうしても使ってみたい人は、まず出身地や趣味、経歴など相手の情報を事前に収集し、それらに関する話題・質問を用意しておくことから始めるといいでしょう。
Q:米国で言ってはいけないフレーズ、話題などあれば教えてください。
米国は自由の国ですが、人種や性別、出身国、政治、宗教などに関する話題は、差別的と捉える人も多いので避けるべきです。それらをネタにした芸風の芸人などもいますが、ビジネスマンとしては使うべきではありません。
言葉の〝ユーモア〟はとてもセンシティブなもので、無理にジョークを言ったりすると逆に不自然に聞こえますし、日々英語を勉強しているうちに徐々に身に付いてくるものです。面白みのあるビジネスマンになるためには〝ジョークが言えること〟よりも〝お客さまのニーズをきちんと聞き入れ理解し、お客さまの気持ちをつかむ会話ができること〟を目指す方が近道だと思います。
(次回は9月第4週土曜日号掲載)