今月のテーマ「オバマケア」
〈回答者〉インシュアランス・スペシャリスト
市川公美氏
質問者:NJ在住 Aさん
Q:夫婦共々メディケアの恩恵を受ける年になりました。最近たくさんのメディケアサービスの郵便が来るようになり何処のサービスが良いのやらこまっています。このような問題に相談にのってくれる処はあるのでしょうか。
A:メディケアは米国連邦政府が運用する高齢者と、その他一定基準に該当する人を対象としたプログラムで、パートA(病院など医療施設その他でのケア)、B(医師による診療など)、C(オプションのプライベート診療、AとBを含む)、D(処方薬)から成ります。パートCは、メディケア・アドバンテージなどを通じてより幅広い医療行為を受けることができますが、相応の保険料が求められるので、パートDと合わせて慎重に検討されるのがよいでしょう。プランの選択から加入までメディケア認定のエージェントがお手伝いできます。メディケアの公認サイト、www.medicare.gov。個別の無料相談は、州の健康保険支援プログラム(SHIP)で行っています。Aさんご在住のNJですと、www.state.nj.usです。また、全米退職者協会のサイト(AARP.org)もすぐれた情報源です。
Q:メディケア加入の注意点や費用などを教えてください。
A:メディケア(パートAとB)への加入は、誕生日月とその前後3カ月の計7カ月の間に行う必要があります。もしこの期間を逃すと公開加入(2014年度は今年10月15日から12月7日まで)の時期に行いますが、恒久的に保険料が10%高くなる可能性があるので注意してください。メディケアの資格がある方は、パートAについては保険料を払う必要はありませんが、入院の際にはベネフィットが適用されるまでの免責金額(ディダクティブル)があり、一定日数に達すると自己負担(コインシュアランス)が発生します。パートBは保険金月額が104.90ドル(2年前の所得が個人申告で8万5000ドル、合算で17万ドル以下の場合)で、それより少し高めの免責金額が設定されています。さらに外来や入院時の診療などは20%の自己負担となります。パートCおよびDはプランによって保険料月額が異なり、概して所得が高いほど金額が大きくなります。
Q:オバマケア(健康保険)とは定年を迎えた私たちに無関係なのでしょうか。教えてください。
A:いわゆるオバマケアは2010年に成立したAffordable Care Act(ACA)に基づいています。この法律の主眼は、できるだけ多くの人に健康保険に加入してもらうことと、すでに健康保険に入っている人にも更なる医療上の保護を提供することです。ACAにより市場で適格健康保険が購入できるようになりましたが、メディケアが適用される方は市場で保険を購入する必要はありません。ただしこの法律により、メディケアにも各種の恩恵が及んでいます。(次回は1月1日号掲載)