多くのカップルがつまずく“不妊”
コウノトリのコトバ-生殖医療の現場から 第1回
New Hope Fertility Center Dr. John Zhang
名前を決めたり、ストローラーを購入したり、さらには子供のために積み立て保険に加入する前に多くのカップルがつまずくこと。それは“不妊”。“妊娠することは簡単“と誰もが信じているが、実は妊娠とは“ミラクルの積み重ね”で起こる。
(1)卵が成長し、(2)その成長した卵が排卵(ovulate)する。(3)排卵した卵が卵管にキャッチされ(4)ちょうどその時に精子がやってきて卵子に入り、(5)受精(fertilize)する。(6)この受精卵(fertilized egg)が成長しながら(7)子宮までたどりつく。(8)さらにその時、子宮内が受精卵を迎える状況になっている。こういった全てのミラクルが起こった結果、“妊娠(pregnant)”となる。
しかし、このミラクルがたった一つでも欠けてしまうと残念ながら妊娠は起こらない。実際、20代後半の健康なカップルでさえ、1回の性交渉当たり妊娠する確率は20〜25%だ。
しかし、通常夫婦が妊娠を望むと、1年で約8割、2年で約9割が妊娠するといわれている。世界保健機関(WHO)は不妊の定義として“男女が妊娠を希望し1年間、避妊することなく性交を続けているのに妊娠しない場合”と定めている。
米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国では現在8組に1組のカップルが不妊(infertility)で悩んでいると報告した。「つい数年前までは10組に1組だったのを考えると、これは恐ろしい統計結果だ」とニューホープ・ファーティリティセンター(New Hope Fertility Center)院長のザン(Zhang)医師は話す。
不妊に陥る原因として、3分の1が女性側、3分の1が男性側に問題が、さらに残りの3分の1は原因不明であることが最近の統計で明らかになっている。現代の晩婚化に伴い、女性側の年齢が35歳を超えると妊娠する可能性が低下していく“年齢因子”が不妊原因として増えているが、そのほか、女性側では卵管の詰まり、ホルモンバランス、子宮内膜症などの原因もある。また、男性側では精子の数、運動率の低下、精子形態異常、精索静脈瘤(りゅう)が主な原因となる。
これらの原因を突き止め、治療していくのが生殖医療専門病院の役割の一つである。“妊娠”というミラクルを長年待ち続けているカップルは一度こういった病院へ足を運んでみてはどうだろうか。
(次回は6月第4週号掲載)
〈クリニック〉 New Hope Fertility Center 世界トップレベルのスペシャリストが集結、ライフステージに合った家族計画をサポートしている。不妊治療、体外受精を望むカップルだけでなく、将来のために卵子凍結を行いたいシングル、ドナー精子、卵子での挙児希望者、また、ドナーとして卵子提供者が利用できるクリニック。2004年の開院以来、多くの成功事例を持つ。米国内以外にロシア、メキシコ、中国にも分院を設立、運営している。
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