卵子を知り、妊娠を成す

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妊活のとびら NY不妊治療ストリーズ 第1回

妊娠・不妊を左右する女性の卵子

妊娠・不妊を左右する女性の卵子

6組に1組が「不妊」と言われる現代、医療の進化に伴い、不妊治療の技術も考え方も日々進歩し続けている。「妊活のとびら NY不妊治療ストーリーズ」では、不妊の治療や動向、妊活に関する知識をご紹介。第1回は、妊娠・不妊を左右する「卵子」についてお話する。

急速に減りゆく卵子

女性の卵子と男性の精子が出会って受精卵となり、子宮内膜に着床し「妊娠」が成立する。これは皆さんよくご存知のこと。では、そのチャンスが一生のうち約何回あるかご存知だろうか?

卵子は胎児期に一生分作られ、妊娠20週のころは約700万個、それをピークに急速に減少。出生時には約200万個、思春期には約30万個、そこからさらに月1000個ほどのペースで減り、35歳で2〜3万個、45歳で約1000個、閉経時にはゼロに近づく。月経が始まる思春期以降、およそひと月に排卵される卵子はたったの一つ。よって、生涯で排卵される卵子は約400〜500個ということになる。

実年齢に比例する卵子年齢だが

この数だけを聞くと、不妊なんて無縁な気がするが、月に1度排卵される卵子が必ずしも良質なものとはかぎらない。そしてお気づきかもしれないが、一生分の卵子が胎児期に作られるということは、20歳で排卵した卵子は生まれて20年の若さの卵子、40歳で排卵した卵子は40年を経た卵子。これが卵子の老化と言われる所以である。

加齢とともに卵子の数は減り、卵子の老化による遺伝子異常の可能性も高まり、不妊というスパイラルが起こる。この事実に逆らうことは不可能と言われ続けてきた中、最近の研究で、当クリニックでも着床障害の治療として取り入れている再生医療「PRP(多血小板血漿)」が、卵巣若返りによる卵子の質向上にも効果があるとみられ、新たな治療法として取り入れる準備を進めている。

今の卵子の数を知るか若い卵子を後に残すか

将来妊娠・出産を望む人が今できること、その一つは、卵巣予備能を確認できるAMH(アンチミューラリアンホルモン:卵巣年齢)検査を受けること。卵巣内の卵子の残数を確認し、妊娠するのに残された時間を知るのである。

そしてもう一つは「卵子凍結」。若いうちに良質な卵子を採取して凍結保存し、後にパートナーの精子と受精させ妊娠を実現化する。将来の妊娠・出産に対する保険であり、そのタイミングを自ら選択できる、まさにタイムカプセルのような医療技術だ。この卵子凍結については、後々詳しくご紹介しようと思う。

(次回は3月第2週号掲載)

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