〈コラム〉ある種の腰痛について 仙腸関節炎(Sacroiliac Joint Syndrome)

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カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第189回

仙腸関節炎(Sacroiliac Joint Syndrome)と呼ばれる関節炎は、多くの腰痛やお尻の痛みを訴える方の代表的な症状の一つです。特に、妊娠中の方、産後の方、尻もちをついたり、階段やスキーなどで滑ってお尻や腰を打ったような方に多く見られます。

仙腸関節は、仙骨と呼ばれる骨盤の一部の骨で、骨盤の中心部に位置していて三角形の形をしています。腸骨は骨盤の左右の大きな骨のことで、大腿骨が腸骨とつながっています。この仙骨と腸骨を合わせた左右の関節のことを仙腸関節と呼びます。仙腸関節は体の中でも大きな関節なので、ケガの原因になりやすい関節部位でもあります。仙腸関節に問題がある方は、腰の下の部分だけでなく、お尻の辺りや足の付け根まで痛みが出てくることがあります。しかし、仙腸関節炎は意外と見過ごされがちな腰の痛みの原因なのです。

最近の医学研究者たちによると仙腸関節炎は腰痛の原因の一つと診断される一般的なものであることが分かりました。この研究によると4人に1人の腰痛患者は仙腸関節炎で、カイロプラクティック治療が仙腸関節炎を治すのに95%の患者に効果的だと報告されています。

また違う研究では妊婦にも仙腸関節炎がよく見られ、カイロプラクティック治療が効果的なものであることが証明されました。関節にかかる圧力のために仙腸関節症候群が妊娠中や分娩後の腰の痛みの原因となります。

スウェーデンにあるリンコピング大学病院の研究者たちは腰痛のある妊婦たちにカイロプラクティック治療をしました。70%が痛みを完全に取り除くことができ30%は痛みを和らげることができました。この医療研究者はこの治療が最も効果的な仙腸関節炎の治療法だとコメントしています。

仙腸関節の痛みは最も一般的な腰の痛みの原因であるにかかわらず、最も見過ごされがちな腰痛の原因です。カイロプラクティックでは、多くの腰痛をお持ちの方が来院されますが、最初に私たちがすることは、細かい検査をした上で、正しい診断を行います。腰痛といっても、椎間板ヘルニア、狭窄症、そしてこの仙腸関節炎では治療と施術の仕方は違ってきます。カイロプラクティックの治療は、最も効果的で体への負担が少なく、そして副作用や合併症が少ない治療法です。ある腰痛の研究では、米国では実に9割の人々が、人生の中で一度は腰痛を経験すると発表しています。腰痛でも多種多様です。正しい診断の下で、最も効果的で副作用のない治療がカイロプラクティックです。もし、自分も仙腸関節の異常があるかなと思う方がいらしたら、ぜひ、カイロプラクティックの的確な検査をお勧めいたします。

(次回は10月26日号掲載)

MikaIshitani〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞。2015「Bergen’s Top Chiropractor」受賞。

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