カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第208回
私は国際小児カイロプラクティック協会の認定カイロプラクティック医です。通常のカイロプラクティック医学を勉強した後、さらに、小児へのカイロプラクティック医学を勉強しました。
これまで20年間の診療経験で、声を大にして言いたいことは、子供の段階でのカイロプラクティックを受診する大切さです。患者さまの体や心の変化を施術する上で、ミラクルと言われるようなことを幾度となく経験してきましたが、特に、驚くほどの変化が1回限りでの施術でも現れるのは子供たちです。
先日も、困り果てたお母さまが、3歳になった男の子を連れてこられました。とにかく、生後から今まで暴れん坊で、落ち着きがなく、奇声も発するし、言うことを聞かないということでした。さらに、生後から首が片側に曲がっており、これまでも幾人もの医者を訪ね、首のレントゲンや脳のCTスキャンも取ったけれど、何も異常が見つからないということで、お母さまも取りあえず、気持ちを落ち着かせるためと曲がった首をどうにかしようと家でマッサージをしているというのです。お母さまが説明される15分ほどの間は、彼女の声も聞こえないほどその男の子が騒ぎ、部屋を動き回る始末で、何度もお母さまの話を聞き直さないといられないほどでした。私は何度も、自閉症的な障害や、注意欠陥・多動性障害の診断を小児科医から下されてないのか聞きましたが、それも全くないというのです。
男の子の背骨の検査をした上で、レントゲン検査も行うと、曲がっているのは背骨全体で、側弯症(そくわんしょう)がすでに出ています。側弯症とは後ろから背骨を見た時に、S字に曲がってカーブしている背骨のこと。確かに、私のクリニックに来る3割程度の子供たちの背骨は何かしらの形で側弯症が見られます。側弯症の施術は私の得意分野でもあるので、早速施術を始めることにしました。しかし、とにかくじっとしていない男の子。一緒に遊ぶフリをしながら施術できた時間は多分1分未満。1回目はとにかく、怖がられないこと、私を好きになってもらうこと。お互い笑って施術が終わりました。もう一度予約を取り、3日後に私の前に現れた男の子は全くの別人でした。話を伺うと施術当日から今までにないくらいスヤスヤと眠ることができ、お母さまの言うことも素直に聞き、暴れん坊ではないというのです。お母さまの肌つやも良くなっていました。これには私も驚きましたが、さすが、背骨がなせる業。背骨を正しくすることで、脊髄と脳の関係が良くなり、それが彼の行動や思考を変化させたのです。
このように、体の幹である背骨を正しく設定することで、全ての子供たちの思考能力、運動能力などに良い影響を与えるのです。その子に意識を向けて、その子を感じる、そして手で触れ、背骨や、脈や呼吸、体温を感じて正してあげることで、子供の成長を驚くほどサポートすることができます。
(次回は11月7日号掲載)
〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷ヘルスセンター院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞。2015「Bergen’s Top Chiropractor」受賞。
【石谷ヘルスセンターウェブ】www.ishitaniclinic.com