法令制定以前に遡ってCOVID-19ワクチン接種の有給タイムオフを申請することはできない
2021年3月12日付、ニューヨーク州は、同州で勤務する従業員がCOVID-19のワクチン接種を受けられるよう、1回の接種につき4時間を超えない有給タイムオフを与えることを全雇用主に義務付ける法令を制定しました。もし従業員が2回の接種を必要とするワクチンを受ける場合、この従業員は1回につき4時間まで、つまり合計8時間までの有給タイムオフを取得する権利があります。
もし従業員がもっと長い有給タイムオフを与える労働協約でカバーされている場合や、雇用主が長い有給タイムオフを許可する場合、従業員はCOVID-19のワクチン接種を受けるときに、必要時間よりも長い有給タイムオフを取得することができます。
従業員は、有給タイムオフ中も通常の賃金レートでの支払いを受けます。雇用主が従業員の有給休暇、私事休暇、病気欠勤日をこの目的に充てることは禁止されています。さらに、COVID-19ワクチンの接種を受けるための有給タイムオフを要請したり決めたりした従業員に対して、雇用主が解雇、罰則、差別を与えることは禁じられています。
この有給タイムオフは、COVID-19ワクチンを受ける従業員本人だけが受けられる、法律によって定められた手当です。従業員が本人以外の身内やその他の人を補助するために使用することはできません。
この法令は2021年3月12日に即日有効となりました。制定当初は、過去に遡って適用できるかどうかは定かではありませんでした。しかし、その後のニューヨーク州労働局の案内によると、いかなる従業員も2021年3月12日より前に遡ってCOVID-19のワクチンを接種するための有給タイムオフを申請することはできないとのことです。
この法令は、2022年12月31日まで有効です。
(弁護士 マリアン・ディクソン)
(次回は7月第1週号掲載)
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