ニューヨーク州における会社の解散

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解散には同意(任意)または公布(不任意)によって行われる

ニューヨーク州の会社の解散は同意(任意)または公布(不任意)によって行われます。

任意の解散をするためには、ニューヨーク州法人部に解散証明書(“COD”―Certificate of Dissolution)を申請料と州課税財務部からの承認と共に提出しなければなりません。会社がニューヨーク市で営業していた場合は、市税務部から発行された解散同意書も入手してCODに添付しなければなりません。

州課税財務部の承認を入手するには、会社の納税申告書に「final(最終)」と明記して提出します。その時点で、州課税財務部は自動的に会社のステータスの確認をします。必要書類が揃っており、全ての納税がきちんと済んでいる場合、解散の承認書が会社または会社の会計士宛に送付されます。納税申告書を調べた結果、期日を過ぎても税金が支払われていないことが判明した場合は、承認書の発行前に、納税と書類提出を求める内容の通知書が会社または会社の会計士に届きます。

市財務部から同意書を入手するためには、会社は市財務部タックスクリアランス(納税証明書)課に解散同意書の発行を要請する必要があります。
必要な州からの承認書と場合によっては市からの同意書が入手できたら、CODに承認書と同意書を添付して手数料と共に、州に提出します。
もちろん、任意解散に進む前には、会社の定款と内規に従って決議と承認を行うといった、社内的な形式手続きを取って記録しておく必要があります。

解散手続きの義務ではありませんが、債権者や(賠償などの)原告になる可能性のある人々に、会社の解散を通知しておくと、一定期間の後は会社の責任を制限することができる場合があります。
任意解散の後でも、納税手続きや債権者への支払い、そして最終的に残った資産を株主に分配するなど、会社は活動を続ける場合もあります。

他州でも事業運営を許可されているニューヨーク州の会社は、各州の規則と手続きに従って会社の営業許可を返上しなければなりません。

不任意解散は、会社の同意なしに、州納税財務部の指示によって行われます。州が義務付けている税申告の提出と納税を2年以上怠ると、不任意解散が公布されてしまいます。公布によって解散と見なされている時期でも、会社には税申告と納税の義務があります。会社は、期日となっている全ての税金を支払い、期日を過ぎてしまった税申告書を提出した後、初めて営業可能というステータスを回復することができます。

(弁護士 マリアン・ディクソン)

(次回は6月第1週号掲載)

〈今週の執筆事務所〉

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(お断り)本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。法的アドバイスが必要な方は弁護士・法律事務所へ直接ご相談されることをお勧めします。

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