NY州の全雇用者は州の給与透明化法と制定済みの現地法を習熟するべき
雇用者は、最近ニューヨーク州知事キャシー・ホークルが、給与に関する新法案に署名したことに留意しなければなりません。この法律はニューヨーク州の特定の雇用者全ての求人情報や職種内昇進の広告・掲載を行う際、給与範囲を開示することを義務付けています。この法律は2023年9月に発効します。この法律の目的は、求人雇用における差別や賃金格差の防止と低減です。このニューヨーク州法の内容は一般的で最小限ですが、現在従業員を4名以上持つ雇用者及び職業紹介事業者(NY州労働法の特定する派遣会社を除く)は、給与の透明化が義務付けられます。
ニューヨーク市では既に同様の法律を2022年11月に制定しています。ニューヨーク州内のその他の場所としては、ウェストチェスター郡も既に給与透明化法を施行しています。しかし、ホークル知事が法案に署名したことにより、今や給与透明化法はニューヨーク州全体のものとなりました。
ニューヨーク市法は、ニューヨーク市内で行われる全ての求人情報又は職種内昇進の広告又は転職に適用されます。雇用者は広告媒体の種類に関わらず、求人情報又は職種内昇進にかかる全ての広告又は掲載に、給与範囲を開示しなければなりません。広告は、最高賃金額及び最低賃金額を特定しなければなりません。ニューヨーク市法は、従業員を4名以上又は家政婦を1名以上持つ雇用者及び職業紹介事業者に適用され、派遣会社には適用されません。事業所有者及び個人雇用者は、4名の従業員数に含まれます。さらに、4名の従業員全員が同じ所在地又はニューヨーク市内で働く必要はありません。ニューヨーク市内で働く従業員が1名いれば、職場全体に法律が適用されます。
給与透明化に関するニューヨーク市法に違反していると判断された企業は、申し立てられた違反に対して30日間の対応期間を与えられます。違反の疑いへの対応を行わなかった雇用者には、25万ドルまでの罰金が科せられる場合があります。さらに、採用候補者は法律違反の疑いにかかる民事訴訟を起こすことができます。ニューヨーク市人権委員会は、全ての違反の疑いに関する調査を行う役割を担っています。
ニューヨーク州知事キャシー・ホークルの新法案署名に伴い、ニューヨーク州の全ての雇用者は、ニューヨーク州給与透明化法と制定済みの現地法を習熟するべきでしょう。
(弁護士 マリアン・ディクソン)
(次回は2月4日号掲載)
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