Nagano Morita a Division of Prager Metis 日下武「ビジネスのツボ」 第113回
先日、友人から、「最近、会計っぽくない話題から始まって、結構、強引に会計に結びつける感じのコラムが多いな」と言われました。私としては、皆さんに楽しく読んでいただくための工夫と考えているので、ご容赦くださいませ。逆に毎回違う話題からどういう風に会計につながっていくかを楽しんでいただければと思います。
今年もあっという間に1年の半分が過ぎ、夏が始まりました。ニューヨークは緊急事態宣言が解かれ、日常の生活に戻りつつあります。これからサマーバケーションでたくさんの観光客で賑わうと思います。海やプールも解禁になり、ビーチも混雑してくることでしょう。
この時期になるとどうしても薄着になりますので、ダイエットや筋トレをして、体を見られることに準備をする人も多いと思います。私は毎年、筋トレ計画は立てるのですが、暑くなると冷えたビールが美味しく、結局、ビール腹に悩まされます。それでも今年こそは腹筋はシックスパック、そして上半身は逆三角形を目指して、トレーニングを始めようと思います。
ちなみに米国では逆三角形の上半身をDorito BODと表現することもあるらしいです。語源は世界最大のスナックメーカーであるフリトレー社が販売しているチップスのDoritosが逆三角形というところからきているようです。英語の表現は限りなく多く、日々勉強になります。
逆三角形といえば、会計用語に逆三角合併(Reverse Triangular Merger)というものがあります。日本の企業が米国企業を買収する時にも使用されるケースがあるようです。逆三角合併を簡単に説明すると、買収企業(買い手企業)が自社の子会社を設立し、子会社とターゲット企業(買収される側の企業)を合併させてから、その子会社を消滅させて、ターゲット企業を存続させるという手法です。買収企業が、ターゲット会社の100%買収を考えている、さらにターゲット企業が独自で持っている既得権などを保持したいという時に使用すると有効的な合併手法です。
普通の合併だとターゲット会社が消滅するケースが多いですが、逆三角合併のメリットは、ターゲット企業の法人格を維持したまま、100%子会社化できるというところで、ターゲット企業が会社法的に存続するということで、長年ビジネスをしてきている顧客やベンダーとの有利な契約や良好的な関係を合併後も維持できます。デメリットですが、子会社を設立したりその後、消滅させたり、手続きが複雑になります。もし興味があれば、専門家に相談することをお勧めいたします。
(次回は8月第2週号掲載)
〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) Prager Metis CPAs Boston/NJ マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を生かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーマで、幅広く顧客を持つ。
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