Nagano Morita a Division of Prager Metis 日下武「ビジネスのツボ」 第118回
ようやく新型コロナウイルスの拡散も落ち着いてきたようにみえましたが、また新たな変異株「オミクロン株」の出現で、世界的に規制が厳しくなってきています。
先日、11月26日から12月2日の日程で日本からアメリカに出張に来た知り合いと話をしました。日本出発時にはビジネスの渡航なので、アメリカから日本に帰国した際には隔離期間を3日間に短縮する申請ができるになったと喜んでいたのですが、アメリカ滞在中にオミクロン株の懸念が増大して、日本政府の発表で12月1日午前0時以降はアメリカから日本に帰国した場合は14日の隔離期間が必要になったと嘆いていました。このように日々、変化が起こっています。
会計・税務についても同じことが言えます。2017年にトランプ大統領(当時)が大きく税法を改定しました。その時に、一所懸命トランプ税法を学び、ようやく慣れてきたと思った頃にバイデン氏が大統領に当選し、また大きく税制改定が起こると言われています。また勉強のやり直しかと思う一方で、このような改定があるので、我々会計士は仕事を失わないのかもしれません。
税法改定の場合はテレビなどのニュースで取り上げられるので情報の入手が比較的簡単ですが、アメリカでビジネスをする上で、財務諸表作成のためのルールである会計原則にも注意をしておくことが大切になります。
たとえば、すでに上場企業に適用されているのですが、2021年12月15日後に作成される年次財務諸表から、US GAAPベースで財務諸表を作成している日本企業も含めたアメリカの非上場企業にも新リース会計原則(ASC842)の適用が求められます。
カレンダーイヤーを採用している会社の場合は、2022年1月1日からになり、アメリカの非上場企業は、リース会計処理の変更を必要とされることになります。新リース会計原則では、従来のリース会計原則とはことなり、リース物件は資産計上するというところからはじまります。例えば、オフィス・リース、倉庫リース、コピー機リース、カンパニーカー・リースなどはこの新リース会計原則の適用に当てはまるので、ほとんどの企業が影響を受けると予想されます。
新しい会計原則なので、まだまだ判断基準が曖昧なところが多いと感じます。たとえば、リース期間の判断、リース支払額の計算、リース割引率の計算など、新しい会計原則の適用にはかなり深い会計専門知識が必要とされますので、ご興味があるならば専門家にご相談されることをお勧めいたします。
(次回は1月15日号掲載)
〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) Prager Metis CPAs Boston/NJ マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を生かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーマで、幅広く顧客を持つ。
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