〈コラム〉これから会計士業はなくなる? 発想力や人間らしさが必要な仕事は消えない

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「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第66回

最近、身近で人工知能の発達の話を聞き、どうなっていくのか大変興味がわいています。私のクライアントがテスラという電気自動車を購入したのですが、高速道路はすでに自動運転が可能、そして、ぎりぎりの縦列駐車も自動駐車してしまうらしいです。噂では2017年中に完全自動運転車の実用化の可能性が高いということですが、10年後、20年後には人間は車を運転しない時代がやってくるのかもしれません。携帯アプリなどの科学の発達によって生まれた仕事であるUberもこの科学の発達によってなくなるかもしれません。

話は変わりますが、先日、テレビでウィンブルドンの決勝戦を見ていたところ、娘が大好きなロジャー・フェデラーが出場していました。「そういえば、フェデラーって何歳だったっけ?」という妻の質問に対して、便利な携帯があるからすぐ調べてやろうと思い、一所懸命グーグル検索していると、娘がすかさずSiriに音声で質問して、2秒で回答しました。完敗です。SiriというのはiPhoneに内蔵されているバーチャル・アシスタントのことで音声で対応できます。この時代、大抵のことはSiriに聞けばわかるのかもしれません。人工知能の発達とともに約半分の職業がなくなるという言われています。

2014年にオックスフォード大学のオズボーン氏が発表した10年後に「消える、なくなる」可能性の高い仕事リストに給与担当者、税務申告書代行者、簿記、会計、監査の事務員という仕事が含まれていました。まさしく現在私の携わっているサービスの一部です。それでは、これは危機と捉えるべきなのでしょうか。

私の考えですが、給与計算や簿記はクライアントによって特徴はあるので、最初は気をつけなければなりませんが、一旦慣れてしまうと後はルーティンで処理ができる作業だと思います。ただ、入力に時間を費やす作業ですので、自動化ができるととても便利です。自動化が進むと仕事がなくなるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、この時間がセーブできることにより、クライアントとコミュニケーションを取る時間が増え、今よりもさらにクライアントごとにあったコンサルティングを踏まえたクリエイティブな会計サービスで喜ばせることができるようになると思います。

発想力や人間らしさが必要な仕事は消えないと思いますので、たとえ、人工知能がある職業に置き換わることができたとしても、また新たなサービスが生まれることで進化していくと信じます。

(次回は9月第2週号掲載)

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〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を生かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーマで、幅広く顧客を持つ。

ウェブwww.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@nagano-morita.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ

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