〈コラム〉新型コロナウイルス対策の救済措置

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永野・森田公認会計士事務所 日下武「ビジネスのツボ」 第98回

新型コロナウイルスの影響でさまざまな苦労をされていることと思います。

この状況が始まってから、トランプ大統領が次々と対策法案に署名しました。第1弾は3月6日に83億ドルの緊急補正予算法が成立しました。これはワクチンなどの研究開発費用、連邦・州・自治体の公共衛生機関への財政支援が含まれました。

第2弾は3月18日に成立した家族第一・コロナウイルス対応法で、個人への支援が中心になっています。コロナウイルスの影響で出勤できなくなってしまった従業員への雇用の保証や有休シックリーブの取り扱い、休みを取った従業員に支払った給与の税控除についても救済措置を定めています。

第3弾として3月27日には、2兆2000億ドルという米国指標最大規模の救済法案にトランプ大統領が署名しました。「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security)法」と呼ばれ、CARES法と略されます。個人への支援として、成人に1200ドル、未成年(17歳以下)に500ドルがEconomic Impact paymentという形で給付されます。

ただし、世帯の家族構成にもよりますが、収入が一定額を超えるなどした場合は減額されたり給付がゼロになることもあります。

アメリカの労働省が4月2日に発表した失業保険の新規申請者は3月28日までの1週間で664万8000件と過去最大となり、その前の週と合わせると2週間で1000万人近くの申請になるようです。

CARES法では失業保険についても各州からの給付に追加して1週間あたり600ドルの給付が受けられることになっています。

中小企業向けには、3770億ドルの予算が確保されています。その大半は従業員の給与支払いのための融資になります。中小企業庁によって、Small businessの定義に該当する企業や個人事業主は、上限金額はありますが、全従業員の平均月額給与の総額の2・5倍までの融資が受けられる可能性があります。

このような支援法が可決される一方で、詐欺も増加しているようです。IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)のウェブサイトには、詐欺に注意するようにという文章がアップされています。

手口としては、IRSを装って、メールや電話でEconomic Impact paymentの個人への支払い1200ドルをデポジットをしたいという口実で銀行口座情報を聞き出したり、架空のチェックを送り付けてきて、電話を掛けさせて情報を聞き出すなど様々なようです。

もし、おかしいと思ったときはIRSが指定した連絡先がありますので通報してください。一刻も早く、新型コロナウイルス感染が終息を迎えることを願います。

(次回は5月第2週号掲載)

〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を生かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーマで、幅広く顧客を持つ。

ウェブwww.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@nagano-morita.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ

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