男性不妊検査にポジティブなイメージを持ってもらうために
コウノトリのコトバ-生殖医療の現場から 第4回
New Hope Fertility Center Dr. John Zhang
前回(7月23日号掲載)に続き、男性から寄せられた素朴な質問を簡単な言葉で回答していきたい。
Q6 採精室の利用時間に制限はあるの?
いざ、採精室を使用することになると、「他の人は何分くらいでこの部屋を出ていくのだろう」と疑問に思って気になすのは当然だ。答えは“無制限”。部屋を利用する前にスタッフから「制限時間は○○分です」と言われ、そのプレッシャーを抱えながら採精はできないもの。ただし、採精したら速やかに退室してほしい。
Q7 産婦人科(不妊クリニック)に男性が行くのは浮いていないか?
もちろん女性の方が多い。ただ、ここはアメリカ。個人的な印象だが、アメリカ人男性は結婚すると妻をとても大切にする。自分の検査日でなくても二人で来院しているカップルは日本よりも多い印象がある。特に週末となると半数以上の患者が二人で来院している。さらに、クリニックにもよるが、不妊治療専門施設になると男性が想像するほど浮くことはない。当院では男性患者に対応するスタッフも基本的には男性だ。
Q8 精子を増やす方法はある?
万人に効く画期的な方法はまだ見つかっていない。しかし、人によってはマカ、牡蠣(かき)エキス、亜鉛などのサプリや漢方治療によって精子数が向上することもある。逆に減少させてしまうものは喫煙、禁欲、高温など。一般的に3日以上の禁欲は精子の運動機能を低下してしまうといわれている。また、精巣は熱にとても弱い器官なので、通気性の良い下着を着用し、長時間のサウナや自転車の利用は少し避けたほうがよいかもしれない。
◇ ◇ ◇
いかがだっただろうか。モヤモヤと疑問に思っていたものがスッキリし、少しでも男性不妊検査にポジティブなイメージが湧いてくれるとうれしい。
(次回は9月第4週号掲載)
〈クリニック〉 New Hope Fertility Center 世界トップレベルのスペシャリストが集結、ライフステージに合った家族計画をサポートしている。不妊治療、体外受精を望むカップルだけでなく、将来のために卵子凍結を行いたいシングル、ドナー精子、卵子での挙児希望者、また、ドナーとして卵子提供者が利用できるクリニック。2004年の開院以来、多くの成功事例を持つ。米国内以外にロシア、メキシコ、中国にも分院を設立、運営している。
【ウェブ】www.newhopefertility.com/