海外在中に心がけたい日本語での学習と現地での活動
「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人
文部科学省によると、海外に1年以上在留して2016年度(2016年4月から2017年3月)に帰国し、日本国内の小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・義務教育学校に在籍している児童生徒数は1万2273人です。また、帰国児童生徒が多い都道府県は、順に東京、神奈川、愛知、千葉、埼玉、大阪です。2017年度も、おそらく1万人以上が帰国したと思われますし、今後も多数の児童生徒が帰国することでしょう。
帰国した児童生徒は、個人差はありますが、ほとんどが日本の学校に馴染んで、国内の子どもたちと共に、楽しい学校生活を送っているようです。それは、帰国する多くの児童生徒が、海外在住中にも補習校や日本人学校など日本語補習機関にて、日本語での学習を積み、日本の文化に触れ、同年代の子どもたちと関わっていたためです。帰国を予定している場合は、海外在住中も日本語での学習を継続することが大切です。
また、海外で身につけた英語や楽器、スポーツなどの実力を発揮して注目されたという話をよく耳にします。帰国生受け入れ校は、帰国生が海外で身につけた語学や異文化が、他の児童生徒の外国語の向上や異文化理解につながることを期待しています。海外在住中に、できる限り英語力を向上させるよう努力することが必要ですし、部活動や課外活動、ボランティアなどにも積極的に参加するとよいでしょう。
こう考えると、帰国後は、帰国生受け入れに積極的で、英語や国際教育に熱心に取り組んでいる学校に入学・編入学することをお勧めします。このような学校であれば、お子さんが学校に馴染みやすいだけでなく、英語力をさらに向上させることもできます。そして、国際感覚を持ったバイリンガルとして、グローバルな社会で活躍できる大人として成長することでしょう。
(写真:名古屋国際中学校・高等学校)
【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校・学習塾講師を歴任。現在は、「米日教育交流協議会(UJEEC)」の代表として、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース、名古屋国際中学校・高等学校、名古屋商科大学の北米担当などを務める。他にデトロイト補習授業校講師(教務主任兼進路指導担当)
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