有名大学附属校や系列校が目立つが、そうでない高校も
「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人
前回は、帰国生に人気の国私立中学校について紹介しましたが、ここでは帰国生に人気の高校を、出願者数の多さと帰国生の全校生徒に占める比率の高さの2点にて紹介します。
帰国生入試の出願者数が多い順にまとめてみたのが以下の表です。(2021年度入試)
国際基督教大学高校が断トツの出願者数となっており、上位10位までが100人以上の出願者を集めています。また、出願者数の多い高校には、有名大学の附属校や系列校が目立ちます。高校入学後は受験することなく進学できるのが魅力なのでしょう。そんな中、大学の付属校や系列校ではない茗溪学園高校、青稜高校が上位に入っているのは、海外からでも受験できるオンライン授業を実施していることや、保護者の帰国先や時期に左右されず通学できる寮を設置していることなども影響しているでしょう。上位25校中でオンライン授業を実施している高校は7校で、寮を設置している高校は8校です。上位10校中では、オンライン入試実施高校は4校、寮を設置している高校は6校です。
次に、帰国生徒数の全生徒数に占める比率の高い順にまとめました。(2021年度)
上位4校は帰国生の受け入れを主たる目的として設置された学校でもあり、帰国生の占める比率は高くなっています。1位の南山国際高校は約9割が帰国生なのですが、2023年3月に閉校となります。5位の啓明学園は、3人に1人が帰国生、6位から8位の高校は、5人に1人が帰国生ということになります。上位20校は首都圏や京阪神の高校が目立つ一方で、茨城県の茗溪学園、愛知県の名古屋国際が入っていることや、20校中6校には寮があることにも注目できます。
(写真提供:名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校)
【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校教員・学習塾講師を歴任。「米日教育交流協議会(UJEEC)」を設立し、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース北米事務所、名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校、名古屋商科大学北米担当、サンディエゴ補習授業校指導教諭を務める。
◆米日教育交流協議会(UJEEC)
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