帰国後の中学・高校進学のためにしておきたい学習

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受験教科の学習に加え、受験教科以外の教科の学習も必要

「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人


多くの地域で夏休みが終わり、現地校に通学する生活が始まっていることと思います。現地校は新年度になり、1つ上の学年に進級し、生活スタイルが変わったお子さんもいることでしょう。特に、エレメンタリースクールからミドルスクール、ミドルスクールからハイスクールに進学した場合には、新しい学校生活に順応することや難しくなった学習内容を理解すること、多くなった宿題に取り組むことなどに苦慮しているかもしれません。また、帰国を予定している家庭のお子さんたちは、現地校の学習に加えて、日本の学校に進学するための対策にも取り組まないといけません。なかなか大変ですが、がんばっていただきたいと思います。

帰国後に、高校または私立中学校に進学する場合には、入学試験を受験し合格しなければなりません。受験教科は学校によって異なりますが、多くの高校では、国語・数学・英語の3教科が課され、社会や理科、作文や小論文などが課される場合もあります。また、私立中学校では、国語・算数の2教科という学校が多いですが、英語が課される学校が増えてきました。また、社会や理科、作文などが課される場合もあります。受験する学校の受験教科の入試問題を解ける実力を身に付ける必要があります。

公立中学校に進学する場合には、入学試験はありませんが、国語・社会・数学・理科・英語に加え、保健体育・技術家庭・美術・音楽の9教科を履修する必要があります。また、履修する教科は私立中学校でも同様です。また、高校も学校によって異なりますが、入試で課されない教科を履修し、各教科の単位を取得しないと進級や卒業ができません。つまり、受験教科以外の学習にも取り組んでおく必要があるのです。

では、帰国後の受験に合格し、進学してから困らないためには、どうすればよいでしょうか。まず、補習校で学習している教科書の内容をしっかりと修得することが大切です。多くの補習校では英語は学べませんし、社会や理科は学べないところもあります。また、補習校が自宅の近くになく通学できないということもあります。このような場合でも、義務教育課程の中学校の教科書は全教科分を無償で入手できますので、自学自習するとよいでしょう。一方、高校の教科書は無償ではありませんが、書店にて購入することができますし、各教科の参考書を入試して学習するのも良いでしょう。

また、教科書の学習に加えて、受験校の入学試験で出題される教科については、問題集や通信添削、オンライン講座などを利用して、問題を解くことに慣れる学習することをお勧めします。近くに学習塾があれば利用するのも効果的ですが、現地校や課外活動、習い事などとの両立が無理なくできるよう考慮が必要です。

次回は、受験に必要な教科の学習対策について、具体的にご説明します。

(写真提供:名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校)

丹羽筆人【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校教員・学習塾講師を歴任。「米日教育交流協議会(UJEEC)」を設立し、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース北米事務所、名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校、名古屋商科大学北米担当、サンディエゴ補習授業校指導教諭を務める。。
◆米日教育交流協議会(UJEEC)
Website:www.ujeec.org

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