「干渉しすぎることなく、子どもを理解しサポートする」という意識と家族での会話が大切

0

伸びる子の親になる

親目線・教員目線で語る日英バイリンガル教育

米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人

保護者なら誰でも自分のお子さんの学力を伸ばしたいという思いを持っておられることでしょう。しかし、お子さんの学力が伸びないと困っておられる保護者が多いというのが実情です。では、保護者はどのような意識で子どもと接すればよいのでしょうか。
長年にわたり小学生から高卒生までの受験指導に当たっている河合塾の資料では、学力が伸びた子どもと伸びなかった子どもの保護者を以下のように説明しています。

子供の勉強の様子を優しく見守る母親のイメージ画像(筆者作成の生成AI)

子供の勉強の様子を優しく見守る母親のイメージ画像(筆者作成の生成AI)

《伸びる子の親》
1)ペースメーカーとして子どもの学習管理ができる
2)子どもの長所・短所がよく分かっている
3)ほめることができる
4)口うるさくなく、叱るときは具体的に注意する
5)いつ、何を勉強しているか知っている
6)数値(点数や順位)だけで判断しない
7)受験と子どもの成長を結びつけることができる

《伸びない子の親》
1)過度に心配性
2)子どもに期待をかけすぎる
3)口うるさいが、態度が甘い
4)なんでも先回りして障害を取り除く

このように、伸びない子どもの保護者は子どもに干渉し過ぎている一方で、伸びる子どもの保護者は子どものことをよく理解し的確に助言していることがわかります。つまり、保護者には、「干渉しすぎることなく、子どもを理解しサポートする」という意識が大切なのです。

家庭内での会話を楽しむ家族のイメージ画像(筆者作成の生成AI)

家庭内での会話を楽しむ家族のイメージ画像(筆者作成の生成AI)

また、海外に暮らすご家庭では、日常的に日本語で会話をすることをお勧めします。それは、お子さんが正しくわかりやすい日本語を使う機会を増やすことが、日本語力の向上につながるからです。また、帰国生にとっては、帰国後、日本の学校生活に順応しやすくなります。帰国生入試では、ほとんどの学校で面接試験がありますので、その対策にもなります。帰国後にどのような学校生活を送るのかや、将来の目標、保護者の子どものときの学校生活や現在の仕事のことなどを話題にするとよいでしょう。

丹羽筆人【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校教員・学習塾講師を歴任。「米日教育交流協議会(UJEEC)」を設立し、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース北米事務所、名古屋国際中学校・高等学校、名古屋商科大学北米担当、サンディエゴ補習授業校指導教諭を務める。
◆米日教育交流協議会(UJEEC)
E-mail:info@ujeec.org

●親目線・教員目線で語る日英バイリンガル教育──過去の掲載●

●「在米親子にアドバイス」日米の教育事情──過去の掲載●

Share.