〈コラム〉ケン青木の新・男は外見 第71回

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今季の紳士服のトレンド

季節の初めということもあり、少し今季の紳士服のトレンドに触れておきたく思います。以前にも書きましたが、世界中、数ある紳士服の展示会の中で、フィレンツェで行われる“ピッティ・イマジネ・ウオモ”、通称ピッティと呼ばれる展示会が事実上、世界の紳士服業界における最大のトレンドセッターとなっております。有名ブランドから新進ブランドまでこぞってこの展示会での名声の獲得を目指し、大変な気合と鼻息でやってくるのです。バイヤーも世界中から一流の方々が集まりますから、気分は紳士服業界におけるワールドカップてな感じ、でしょうか。(笑)ken_aoki0927-dodl
世界一流の業者とバイヤーが一同に集まるので、業界全体の大きな流れがつかみやすく、次のシーズン人気が出そうな商品が思い描かれてくる、ということなんです(笑)。字数もあまりないので手短に書きますが、今シーズン紳士服のトレンドを一言で言うと“チェック”です。Plaidという言葉、例えばglen plaidとかtartan plaidとか雑誌で見られたかもしれませんが、plaidは正しくはプラッドと発音します。プレイドではありません。Tartanはご存知ですね、glenはゲール語で渓谷を意味します。シングルモルトの名でしばしばglen~と出てきますね。似た意味の言葉でdaleがありますが、こちらは地名の後に付き、よりなだらかな谷間を意味します。ウエストチェスターにdaleが付く地名が幾つかありますね。
さて、ビジネス用スーツでも今季はさまざまなチェックが出ています。生地の表面を起毛し秋冬らしい暖かみを表現しているものも多いのですが、生地がかなり軽く、また柔らかくもなっており、お仕事に毎日着ていくには必ずしも最適とは言えないのですが、代わりに上着をジャケットとしてご利用され、スラックスをローテーションで上手に回されると良いでしょう。着回しの良い練習にもなりますし。それではまた。
(次回は10月第2週掲載)

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〈プロフィル〉 ケン青木(けん・あおき) ニューヨークに21年在住。日系アパレルメーカーの米国法人代表取締役を経て、現在、注文服をベースにしたコンサルティングを行っている。日本にも年4回出張。

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