正しい歯の磨き方
●知覚過敏とは
米国では5人に1人がかかっているといわれるほど主要な歯の疾患に「知覚過敏」があります。虫歯になると歯がしみますが、知覚過敏でも同じような症状が出ます。原因としては、虫歯や歯の磨き方によってエナメル質が傷つき削れたり、歯周病によって歯茎が下がり、象牙質が露出してくることで神経が過敏になることが挙げられます。また知覚過敏は神経が過敏になることで生じた、キーンとした痛みが数秒でひくのが特徴です。 知覚過敏を虫歯だと勘違いして診察を受けに来る患者さんが大変多いです。若い人は痛みに敏感なためかかりやすく、歳をとるにつれ神経が鈍くなるため知覚過敏の患者さんが減るのも特徴の一つです。また、女性は男性に比べ、ホワイトニングをする人が多いので、知覚過敏になりやすいともいわれます。 ●対処法は 知覚過敏になったら、即効性のある治療法はないとされています。一番自然で歯に優しい対処の方法は、一時的に刺激を和らげるためエナメル質が薄くなった部分をコーティング剤で補強したり樹脂でカバーする方法です。コーティング剤には「グルタルアルデヒド/HEMA」などが含まれ、物理的に象牙質を塞ぎますが、4カ月から6カ月で効果がなくなります。ほかにも自分でできる対処法としては薬局などに売っているエナメル質の再石灰化を促すフッ素効果が含まれた歯磨き粉を使うことです。選ぶ際には歯の痛みを和らげる成分「Potassium Nitrate(硝酸カリウム)」が入っているものを使うのがいいでしょう。 まずは、虫歯、歯周病、または磨き方で知覚過敏になってないかどうか、検診を受けることをオススメします。 (次回は11月第3週号掲載) 〈筆者プロフィル〉石橋香也子(いしばし かやこ) ニューヨーク大学歯学部卒業。ルーセラン・メディカルセンターで一般歯学の臨床研修課程修了。 〈医院情報〉【住所】65 West 55th St, Suite 305 NYC(bet 5th & 6th Ave.) 【電話】212-265-9100(予約制)【営業時間】火・金:10am〜7pm / 土:10am〜3pm[隔週]【ウェブ】www.drishibashi.com 過去の一覧