日米で違うウエディングドレスの選び方
ニューヨークでは、毎年4月と10月に「ブライダルウイーク」が開催され、多くのデザイナーによるウエディングドレスの展示やファッションショーが、ピア94で開かれます。
ここ2年くらいのドレスのトレンドとしては、マーメイドスタイルが主流で、ほかにはAラインも人気があります。映画「グレート・ギャツビー」のあの時代のきらびやかさがテーマで、オフホワイトのシルク地で、ビンテージ風のデザインや、レースやラメ、ビーズ、また、色刺繍をしたものも多いです。スカートの前が短くて後ろが長いデザイン(High―Low)もよく見かけます。
日本では、どちらかと言うと、「かわいい」というイメージを求めますが、欧米の女性たちは、「セクシー」なドレスを探すようですね。
現代では、「純白」のウエディングドレスが当たり前のようになっていますが、もともとは、中世のヨーロッパでは、赤、緑、青などの色に金、銀糸の刺繍をしたゴージャスな衣装だったようです。
1840年、イギリスのビクトリア女王が、「純潔」を意味する乳白色のシルクサテンのドレスを着られたことから、今日のように純白のウエディングドレスが定着したようですね。東アジアでは、「白」は死装束の色として婚礼には避けられていました。日本では、1873年、長崎生まれの磯部於平(おへい)という女性が、中国人と結婚した際に、初めてウエディングドレスを着用したそうです。
一般的には、日本でウエディングドレスが、受け入れられるようになったのは、1960年代後半からです。日本では、新郎が新婦に付き添って、一緒にドレスを選ぶのが普通のようですが、アメリカでは、結婚式が始まり、新婦とその父親の入場の際に、初めて新郎は、新婦のウエディングドレス姿をみるのが習慣になっていて、それまで、新郎はドキドキしながら楽しみに待っているようですよ。
(次回は12月第2週号掲載)
〈プロフィル〉キヨコ・ホルバート(Kiyoko Horvath) 写真家/ウエディングプランナー
FIT写真学科を卒業。東欧出身の映画カメラマンの夫と共にキロスタジオを設立。これまでに撮影のほか、1200組以上のウエディングを手掛けるなど、NYのウエディングの草分け的存在。講演や視察ツアーも行う。また、「NY女性の集い」や「Learn From 3.11」を立ち上げ、ボランティア活動も精力的に行っている。【ブログ】ameblo.jp/kirowedding