正しい歯の磨き方
毎日欠かせない歯磨きですが、皆さんは正しく歯を磨いていますか？
間違った方法での歯磨きは虫歯の原因になるだけでなく、細菌や発がん物質が繁殖することで起こる頭頸部がんや食道がんの発症リスクを２・５倍に高めるとも言われています（日本癌学会発表）。
●磨き方のポイント
歯磨きのポイントは三つあります。
一つ目は歯と歯茎の境目にブラシを当てて磨きましょう。ブラシの先は歯茎に対して45度の角度で当てること。
二つ目は軽い力で磨くこと。きれいにしようと、特に男性は強い力で磨く方が多いようですが、歯磨きに力は必要ありません。逆に強く磨くことによって、歯に傷が付いたり、歯茎を損傷してしまうことがあります。優しく歯の表面をなでるように磨いてみてください。必要なのは力ではなく、２分ほどかけて歯全体を均一に丁寧に磨くことです。
そして、三つ目のポイントは磨き方の癖をなくすことです。どうしても利き手だけで磨く方が多いので、左右に差が生まれたり、しっかり磨けていない箇所が出てきてしまいます。最初は磨きづらいと思いますが、利き手ではない方の手でも磨く癖が付けられるといいですね。タイマーを見ながら左右、上下で同じ時間をかけて磨くこともお勧めです。
●磨くタイミングや場所
歯を磨くタイミングは誤解されやすいのですが、食後すぐはお勧めできません。何故ならば、食後20分間は口の中が酸性になっていて歯のエナメル質が弱く、傷が付きやすいからです。もし、食後に20分待てない場合は、水を飲んで口の中を中和させてから磨くようにすると良いでしょう。虫歯になりやすい箇所は歯の間、歯と歯茎の境目、奥歯の噛（か）み合わせ、歯並びがずれている所です。これらを意識して磨いてみてくださいね。
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歯医者さんに行くと、歯石などから判断して、磨き方の癖を教えてくれます。一度、プロから自分の磨きづらい箇所や磨き方の癖を聞いてみるといいでしょう。また、デンタルフロスでしか落とせない、歯と歯の間の歯垢（プラーク）もあります。一生付き合っていく歯ですので、正しい磨き方を知って健康な歯を手に入れましょう。
〈筆者プロフィル〉石橋香也子（いしばし かやこ） ニューヨーク大学歯学部卒業。ルーセラン・メディカルセンターで一般歯学の臨床研修課程修了。
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