〈コラム〉導院整体センター、鈴木規正「心身整体道場」第35回

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心身整体とは何か?

新年おめでとうございます。皆様のご健康をお祈りいたします。
新年に当たり、心身整体の基本的な考え方を説明いたします。
“なぜ自分がニューヨークにいるのか?”。この質問にすぐに答えられる人は、心と身体が調和、気力が充分、健康な人です。なぜならば、心に目的を持って行動をしていると、人体の全細胞は活性、身体機能は目的を達成できるよう働いてくれるからです。我々の人生は、物質崩壊の法則(永遠に続く創造と破壊)にあり、外的環境(自分を取り巻く社会や日常生活)の変化が自己に対する挑戦(チャレンジ)として起こり、内的葛藤(外的変化と自己の相克)に常に直面することになります。もしも、うまく外的変化に適応できず、自分の内的葛藤を対処できないと、結果として心身が不調和になり、骨格ズレや体に疼痛が出てくるからです。自己の葛藤を上手に処理できるか? あるいは、処理できずに体の痛みになるか? に分かれます。
本当は、腰痛や首の痛みは、“自分が変わりなさい”というメッセージなのです。怒り、反目、諦めなど、悪感情をもちながら毎日生活をしていると、精神上の問題が、腰痛や首肩の痛みなどの身体上の問題として体にあらわれます。心身状態が調和している人は、葛藤(内外の問題)を上手に処理して、体に不調和(ズレや痛み)を生じません。
多くの腰痛患者を見てきた経験で共通している事は、人生の転機に真っ向から取り組まず、メッセージを無視、回避し続けると、問題(精神的に葛藤)が深まり、やがて⒜筋肉や靭帯の硬直、⒝骨格のズレ、⒞体に痛みが生じてきます。長年の慢性的な痛みを抱えている人は、心身が不調和な人です。そこで心身整体の役割は、自然のエナジーを最大限に受け取れる体(受容器)を回復する手助けをします。患者の心と体のバランスをとる練金術者(触媒)としての働きをします。心身整体が体を整復し、患者の閉ざされた門を開き、心身の調和を作ります。すると心に新しい生き方が生まれ、体には挑戦するパワーが蘇生し、滞留していた気血水が流れ、硬直していた筋肉や靭帯が緩み、神経やホルモンの流れが良くなり、元の痛みのない健康体に戻ることができます。
【実例】Hさん(日本女性、秘書):職務遂行の人で、不慣れな新任社長を支え、事務処理全般をする。しかし、体は慢性的に硬直した首肩や腰痛に長年煩わされていた。硬直した肩の筋肉は他の指圧院でも嫌われる程。数年ごとの社長交代時の事務処理の時は、きまって強度な心身の内部葛藤と闘っていた。しかしバケーションの時、スキーで転んで骨折、1カ月の休暇を取った。その間、筋肉の硬直や腰痛はスッカリ無くなっていた。その後仕事に復帰、すると再び慢性的な硬直や腰痛が繰り返された。数年後、彼女は退職。現在はご自身のライフワークをしており、慢性痛は無くなり心身共に人生を楽しんでいる。
【結論】時代や社会の変化を乗り越え、いかに自分自身を外部の変化に適応して、自己内部の問題や葛藤を処理出来るかが問われている。心身整体はそれを助けます。
(次回は2月第1週号掲載)

Nori at NYGoCenter.
〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。
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