雪の日に靴を痛めない方法
寒い日が続きます。道路に雪が氷となって固まっており、足元に充分注意しなくてはいけませんね。
今の時期、靴にも気を遣う必要があります。と言いますのは、雪の予報が出ますと舗道に塩がまかれますが、これがただの塩でなく、さまざまな化学物質を含んだもので、革をボロボロにしてしまうのです。足の健康のためには本来、サイズの合った革底の靴が一番なのです。革底は一日でコップに軽く1杯分の水分を吸収するとされ、革自体呼吸して足のムレを防いでくれるのです。さらに中底に充填(じゅうてん)されたコルクが持ち主の足型の通り底が凹んでいくのです。そうなると中底は持ち主の足型となり、靴を手放す、いや足放せなくなるのです(笑)。
ところが先述しました塩のせいで靴がダメになってしまう。ではどうすれば良いのか? 答えは三つあります。①オーバーシューズと呼ばれるゴム製の靴のカバーが、それほど高額でなく売られております。もともと雨の日用ですので、雪が積もりますと底がやや滑りやすいですが、緊急用には充分役立ちます。②ややカジュアルでアウトドアな感じなってしまうのですが、オイルドレザー、クロメクセルなどオイル加工された革で作られたくるぶしまでのブーツで、防水性に優れ、底がゴム底となっているものも頼りになります。さらに底にVibramやDainiteと書かれてあればなお良し。雪上で滑りにくく、ケミカルにも強い底材なのです。この手の底材が使われているブーツは、通常、ベターメークで防水性を備えてもいます。最後③が値段もリーズナブルなアウトドアグッズ通販で有名なLLビーン社のメーンハンティングシューズです。革とゴムのコンビブーツですが、発売以来、長い歴史の中で改良が重ねられ、防水性、耐久性、耐ケミカルそれぞれに高い信頼性を誇ります。見た目はチョコエクレアのような外見ですが(笑)、冬場にはビジネスの場で履くことも了解されている靴なのです。それではまた。
(次回は3月14日号掲載)
〈プロフィル〉 ケン青木(けん・あおき) ニューヨークに21年在住。日系アパレルメーカーの米国法人代表取締役を経て、現在、注文服をベースにしたコンサルティングを行っている。日本にも年4回出張。