〈コラム〉ファイナンシャルアカデミー代表 泉正人「社会人のための資産運用」第37回

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 「家計簿」でお金が貯まる「仕組み」とは?  履歴を正確に残す

日々のお金を管理しようと思うなら、やはり「家計簿」の存在を欠かすことはできないでしょう。
私が考える家計簿の役割は、生涯のライフスタイルにおける現在地を示す「お金の地図」です。私たちは旅行に行くとき、地図を見ると思います。まずは自分の現在地を知り、そして目的を確認して、そこに行くための方法や手段を考えるために必要だからです。
地図はドライブや旅行にだけ必要なのではなく、私たち自身の人生においても、お金の進む道を把握するためにとても重要なものだと思います。お金の地図を見て、自分の財務状況は現在どこにいるのか、そして将来どういう生活をしたくてそれにはいくらかかるのか、という未来予想図の地図をつくっていく必要があるのです。もし、家計簿できちんと記録をしておかなければ、先月使ったお金を振り返っても、どこにどれだけかかったか、すべてをきちんと把握することはむずかしいのではないでしょうか?
家賃や住宅ローン、クレジットカードの支払い、生命保険料などの大きなお金は通帳から引き落とされることが多いのでわかりやすいのですが、日々の生活費については現金で支払うことが主流ですので、記録をとっておかなければ混乱してしまう可能性が高まります。たとえば通帳を見てみると、月初めに3万円引き出しているけれど、月末までに何に使ったのか覚えている人は少ないのではないでしょうか? こういう「使途不明金」が増えてくると、目に見えないところで、悪いお金の習慣が徐々に身につくようになってしまうことになりかねません。
そうならないために、皆さんもぜひ「家計簿」にお金の履歴を正確に残して、ムダな出費をなくし、お金に対する正しい習慣を身につけ、お金を貯めていってくださいね。
(次回は5月第1週号掲載)

「お金の教養」〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac

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