〈コラム〉勢いのある中国とバブル時代の日本との共通点 不動産購入ツアーが人気

0

不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第52回

ご存知のとおり中国の投資家の勢いが止まりません。この勢いはそう長くは続かないという人もいれば、もうすぐ終わるだろう、という人もいたりと、憶測が飛び交っています。そんな中、長年こちらに住んでいる人の中にはこの状況を80年代の日本人と重ねて見ていらっしゃる方もいます。
三菱地所がロックフェラーセンターを買収したことは有名ですが、一時期日本人がニューヨークのシンボルを買い占め、ニューヨーク市民を戦慄(せんりつ)させたことは記憶に新しいです。今、中国もニューヨーク・タイムズやウォルドルフ・アストリア・ニューヨークなど、いろいろとニュースをにぎわせています。
他にも日本の80年代バブルと中国の勢いにはいくつか面白い共通点があります。たとえば不動産購入に特化した旅行会社のツアー。先日、中国の新聞社の方とお話をしてきましたが、今、中国本土から不動産ツアーと称したパッケージを利用したご一行さまがたくさん訪れているとのことです。どういうプランかといいますと、1週間ほどでマンハッタンの高級住宅を片っ端から回って、購入したいものがあったら購入してもらう。その間の高級ホテル代は全て無料、といった信じられないような企画です。もちろん、そのうまみだけを狙った変な利用者もいるそうですが、それでもツアー参加者の中から必ず購入者は何人か現れるとのことでした。
とんでもないな、と思うかもしれませんが、80年代後半、日本人も同じようなことをしていたという話を聞きました。不動産会社と旅行会社が組んで、企画をつくり不動産を回るツアーがあったと。現在でも小規模であれば不動産紹介をメーンにしたツアーを弊社でもやっておりますが、現在の中国、かつての日本と比べれば熱が違います。
その時代に不動産会社を立ち上げた日本人も多かったように、今ニューヨークでは中国の不動産会社が不足しているという声も聞きます。これから中国の不動産会社も増えるでしょう。日本企業である弊社にも中国のお客さまがたくさん来ているほどです。
中国人の勢いはどこまで続くのでしょうか。ただ彼らが一様に言うのは、自分たちは日本のバブルの失敗を知っている、です。日本人はバブル崩壊後、購入金額の半値ほどで投資物件を手放していったという話はアメリカでも中国でも有名です。
ますます盛り上がる投資市場。中国人の投資家の行方は? 中国市場について知りたい方、中国人のお知り合いが困っている方は、日本語が話せる中国人エージェントも数多くいる弊社のような専門の不動産業者にお問い合わせください。
(タイチ不動産 山本竜也)
(次回は5月第3週号掲載)
〈記事提供〉タイチ不動産 228 E 45th St. Suite 1800, NYC TEL:212-983-7000 www.taichirealty.com 短期アパート

過去の一覧

Share.