〝身体が教えてくれる人生〟
当院を訪れる、体調不良で身体の慢性痛や心が悩んでいる人達に共通することは、楽に溺れ、困難や誘惑に弱いことが多いです。特に慢性痛や心の悩みの根本的な解決と予防には、自分自身の生き方との関わり方が大切です。
ロボットのような繰り返しの毎日にならないことが大切なのです。
人生を活性化し、新しいことにチャンレンジし、常に前向きな生活をすると、意識が高揚し、免疫力がアップし、病気に抵抗力をもたらす人生の中心軸ができます。自分で自分の健康を守るという意識が自己治癒力を高め、身体(細胞)機能を活性化するのです。人生を有意義に過ごすためには、まず過去の誘惑に流された人生の強い反省と共に、新たな心(決意)で身体を作り直します。これからの人生で、自分が何を大切に? 何のために生きるのか? を明確に意識します。生き方を反省をした上で、人生での目標を立て、日頃の行動を変えるのです。チェックシートを作るのが効果的です。例えば、症状別の食事(腹7分目)、睡眠(6時間は厳守)、禁酒/喫煙、運動に関して目標を立てる。しかしながら多くの場合、強い痛みや関節などの硬直で身体が思うように動かず、また意欲が出ない場合もあります。必要なことは、まず整体治療により、骨格の歪みや関節のズレを治し、通常の運動や歩行ができる体に回復する、さらに正しい骨格バランスを保ちながら、同時に靭帯や筋肉を強化する運動を実行することです。
[実例]Lさん(米国人女性、70代前半):過去12年来の患者、人工股関節あり、無理をすると他箇所がすぐに腰痛になる。専門医師からは手術を勧められていたがしたくない。症状が起きるのは、体をひねった姿勢で長時間も映画を観ているとき、食事中に横向きで友達と長時間話しているとき、無理な姿勢でダンスをしているとき等で、必ず同じ箇所が腰痛になっていた。
根本原因は、骨盤のズレで、体の土台(骨盤)が歪み、仙骨、坐骨結節がズレ、腰椎(L4・L5)が転位して、傍を通る坐骨神経等が圧迫され、痺れや痛みが生じていました。何よりも周辺部の靭帯や筋肉群が弱く、骨盤をサポートしていませんでした。施術の要点は、①自分の人生を再度見つめてもらい、②最高の生き方をするためには、なぜ健康が大事か? を知ってもらい、③体と心の繋がりの大切さを理解してもらい、④毎日の生活実践の指示をしました。具体的には施術期間中に、⒜靭帯や筋肉を強化のためストレッチ、⒝ジムでの競歩運動やコアー・エクササイズをしてもらい、⒞更に食事内容の再考、⒟ビタミンの摂取、⒠瞑想法を伝えました。4度の施術で痛みが無くなり、通常に歩けるようになり、本人は再び旅行やダンスができるようになり、人生をエンジョイしています。
毎日をがむしゃらに、心を集中して生きてみるのです。そうすれば体が教えてくれるものがあります。人生にはそういう時期があって良いのではないでしょうか。
(次回は8月第1週号)
〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。
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