子供の歯(下)
今回も子供の虫歯になりやすい時期について紹介します。前回(5月16日号掲載)は1歳半前後と3歳前後という乳歯が生え始めてから揃うまでの時期でしたが、今回は永久歯へ生え替わる時期について紹介します。
6歳前後
一般的には5〜6歳になると下の前歯が抜け、新しい永久歯が生えてきます。
また時期を前後して口の中の一番奥に6歳臼歯(第一大臼歯)と呼ばれる大きな永久歯が生えてきます。6歳臼歯は永久歯が生え揃ったあと、噛(か)むときの中心的な存在になり生涯を通じて一番大切な歯となります。
しかし、6歳臼歯は乳歯から生え替わるのではなく、一番奥にいつの間にか生えてくるので気付かないことが多く、歯磨きがおろそかになりがちです。また他の歯と比べて噛む面の溝が深く、食べかすが溜まりやすいこともあり、虫歯になりやすい要因となります。虫歯予防のポイントは、磨き方です。生えてすぐの6歳臼歯は乳歯より一段低い位置にあるので、歯ブラシを口の真横から入れて溝の中や歯の周囲を念入りに磨くことです。他の歯とは区別して丁寧に磨き、仕上げは保護者が子供の頭を抱えて後ろから磨いてあげましょう。
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2回にわたって解説したように、歯の生え替わりの時期は虫歯になりやすくなります。
また、生えてきたばかりの歯はまだ柔らかいため、さらに虫歯になりやすく、より一層の注意が必要です。おやつをだらだら食べないようにして規則的な生活を送るようにし、歯ブラシに慣れるためにも食べたら磨く習慣をつけましょう。また、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスを使って歯間もきれいに保つなど、一日の汚れは寝る前に完全に落としてください。
そのほかにも歯医者さんでの定期的な検診をし、必要によってシーラントや、フッ素を塗ってもらうことも効果的です。小さい頃から歯を大切にし、大人になっても虫歯になりにくい歯を目指しましょう。(次回は7月第3週号掲載)
〈筆者プロフィル〉石橋香也子(いしばし かやこ) ニューヨーク大学歯学部卒業。ルーセラン・メディカルセンターで一般歯学の臨床研修課程修了。
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