男の夏の帽子
日差しに夏を感じる今日このごろとなりました。紫外線について、もしかすると僕だけそう感じているのかもしれませんが(笑)、日本にいる時よりもニューヨークにいる時の方がなぜか紫外線の強さをハッキリと感じるのです(笑)。サングラスは使わないにしましても、僕の夏場の必需品と言えば、それは帽子なんです。英語で帽子と言えば“hat”と“cap”がありますね。夏場における紳士が被る帽子と言えば、「パナマ」が有名、hatですね。パナマ帽はヒピハパもしくはトキヤと呼ばれる草を加工した素材から作られるのですが、その素材がパナマ港から出荷されたので、いつの間にか帽子そのものまで「パナマ(Panama)」と呼ばれるようになりました。有名な「オプティモ(Optimo)」というスタイルをはじめ、いくつか歴史的に知られた型はありますが、一般的なソフト帽スタイルのものがやはり1番、目にすることが多いですかね。
映画のタイトルにもなったイタリアの帽子メーカー、「ボルサリーノ(Borsalino)」社の製品は特に有名なんですが、パナマ帽については近年値段が高騰し続けており、先日、日本の某有名百貨店のカタログを見ましたら、ボルサリーノ製パナマ帽がなんと約25万円! このお値段では普段使いを躊躇(ちゅうちょ)される方が出てくることも仕方ないかもしれませんね…(苦笑)。でも、夏の男性用帽子については決して悪いニュースばかりではないのです。この数年、男性用のハットはストロー(麦わら)素材やペーパー(紙の繊維)など、新しい技術で紳士用夏向けの帽子に仕上げたものが実に色とりどりで、帽子の形もクラシックをベースにしつつ、上手にモダンな感覚をヒネリ技として加えたものがたくさん登場しているのです。お値段もボルサリーノのパナマ帽の10分の1以下なんです。オレンジ、ラべンダー、ミントグリーンなどの新しい色が加わり、例えばシャツの色やソックスの色と組み合わせてみられるのもいいでしょう。一つだけ気をつけてほしいこと。それはハットのリボンの結び目は必ず左側に、ということですかね。
それではまた。
(次回は7月11日号掲載)
〈プロフィル〉 ケン青木(けん・あおき) ニューヨークに21年在住。日系アパレルメーカーの米国法人代表取締役を経て、現在、注文服をベースにしたコンサルティングを行っている。日本にも年4回出張。