電子たばこ(上)
たばこが健康に良くないということは周知の事実ですが、ここ数年で電子たばこが急速に普及し人気を博しています。電子たばこは液体を熱して霧状化しその水蒸気を吸うものです。
電子たばこは人気の高まりとともに改良が進められ、今やチョコレートアイスやバブルガムなどフレーバーの種類も豊富になりました。さらに見た目の格好よさや、モデルや人気歌手らの使用により、若者への普及率がここ数年で急激に伸びています。
10代の普及率
別表にあるように年代が低いほど、たばこよりも電子たばこを吸う割合が多い傾向にあります。米国では若者への普及を深刻にみていて、こうした10代の電子たばこの普及率を下げるため、ニコチンを含む製品を医薬品として規制したり、未成年への販売と使用を禁止したりする動きがあります。
実態について
たばこに比べて健康的というイメージのある電子たばこですが、若者の喫煙への入り口になる危険性や、実はたばこよりも強いニコチンが使われている製品もあるなど、近年、研究が進むにつれ、その危険性やデメリットなどさまざまな報告がされています。
米国歯科医師会が、健康的なたばこグッズなどなく、禁煙することが唯一リスクを減らす手段だと発表しているように、電子たばこにも口腔がんのリスクや歯周病や歯の喪失につながるリスクがあり、発がん性物質も含んでいる上に中毒性もあり安全な代替手段ではないと言われています。
来月のコラムでは電子たばこの危険性や、デメリットについてもう少し細かくお話したいと思います。(次回は8月第3週号掲載)
〈筆者プロフィル〉石橋香也子(いしばし かやこ) ニューヨーク大学歯学部卒業。ルーセラン・メディカルセンターで一般歯学の臨床研修課程修了。
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