〈コラム〉「COACH A」竹内 健 「対話で変える!」第21回

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〝トランジション〟(1)チェンジ〟との違い

こんにちは。COACH A竹内です。今回から新たに“トランジション”(変化の連続性)というテーマを取り上げ、企業の取組みや事例をご紹介していきたいと思います。
さて、「グローバル化」という言葉を耳にするようになり、もう15年~20年は経つでしょうか。今現在でも、これを経営方針のひとつとして掲げておられる企業も多いようです。そうした企業に「グローバル化」の具体的な定義を伺うと、左記のように表現する方が多いように思います。
「現地ローカル社員主導で、海外現地マーケットを開拓すること」
ところが、先日西海岸にある訪問先を訪ねた際、経営者であるAさんはやや異なる見方をしていました。
「日本人自身が、海外各地の環境や慣習を理解し、そこで自ら新しいものを取り入れながら、成功することじゃないでしょうか。さらに言うと、成功し続けることが大事だし、ワクワクしますよね」
日本人自身の変化、さらに、楽しみながら成功を継続していく、という点が新鮮でした。
ところで、“トランジション”という言葉を耳にしたことはありますか? あるアメリカの劇作家は、“チェンジ”と対比しながら次のように述べています。
「“チェンジ”は、ある人、場所、物を、別のものにシフトさせる一度きりの出来事。一方、“トランジション”とは、ある変化に取り組む継続的なプロセスである」
“チェンジ”と“トランジション”は、日本語ではともに“変化”と訳されます。しかし、一度きりか、継続的なプロセスか、という点で異なる概念です。
Aさんの言う“グローバル化”をはじめ、新しい役割に相応しい自分を築きあげること、さらにそのプロセスを継続していくこと、それが“トランジション”です。
コーチングは、経営者やエグゼクティブの“トランジション”を支援する手法です。次回以降も、“トランジション”をさまざまな角度から考察していきますので、楽しみにしていてください。
(次回は8月第4週号掲載)

02222coach_a 〈プロフィル〉竹内 健(たけうち たけし)
エグゼクティブ・コーチ(COACH A USA 取締役 CFO)
PricewaterhouseCoopers LLPにて異例の日米5都市を異動しつつ、公認会計士として日米欧の企業や経営者へのサポートを行う中で、ソリューションの提供だけでなく対話を通じた人への投資があってはじめてクライアントのパフォーマンスが発揮されることを痛感し、これまた異例の会計士からの転身をはかり現職。
【ウェブ】www.coacha.com/usa/

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