〝NYは自分の居場所だった!〟
数週間の日本滞在が終わりニューヨークに戻ってきた。
機内で一睡もできなかったもののずっと頭は冴えていました。JFK空港からニューヨークに向かう電車に揺られながら分かったことがありました。それは、「なぜ自分がニューヨークにいるのか?」という長年の自問に対する答えでした。
東京港区にあるスターバックス。朝8時45分。会社の道を急ぐ無表情なサラリーマンや思い詰めた表情を眺めていると、人に操られる岐阜の「鵜飼」を思い出します。自分が自己人生をコントロールできず、埋没した自己逃避な生き方をしていると、いずれは最近取りざたされている心身の病、登校/出社拒否、閉じこもり、強迫観念、躁鬱病などにもつながりかねないのです。当時、外資系A社の研修課長の仕事をしていた自分の姿を思い浮かべました。自分も似たような表情だったのかもしれません。
では、現在の自分はどうでしょうか。自分の意志でセンターを立ち上げ、整体施術を通し、患者の身体のバランスを整え、自己治癒力、身体機能の活性化させる仕事は非常に有意義だと感じることができます。痛みで歩けない人や座りきりの人を立たせ、身体運動機能を通常に戻し日常生活に復帰できるように助けることは、自分にもエネルギーを与えてくれます。ニューヨークで20年以上生活しながら確立していった基盤は、いつの間にか自分のかけがえのない居場所となっていたのです。世界中から来ている人々の期待に応えることができるか。自分の使命としてそれを世に問える場所なのです。ニューヨークを離れてみて、ようやく気づいたことでした。
健康な人間が死に至るには長い過程が存在します。健康で世界中飛び回り、自由に活動していた人が、やがて腰痛や膝が曲がらなくなり椅子に腰掛けたままの生活になります。やがてそれも辛くなるとベッドに寝たきりの生活になります。すると健康は一挙に悪化し、しまいには死に至ります。そういった人生の過程において整体は、体の自然治癒力を活性化するお手伝いをするという使命なのだと強く思います。
[実例]Mさん(アラブ人男性、40代):長身細身。電気修理技師。長年の慢性腰痛で数年間カイロや治療院を回った。最近では医師からヘルニアと診断され手術を勧められたが、したくないと言う。長年にわたる無理な姿勢による仕事で背中の中程が常に痛む、突っ張る症状で来院。更に胃腸が弱く太れないが精密検査をしたところ、どこにも異常は無い。最近では右足に痺れを感じることもある症状。当院に来る患者の典型的な一例です。このような患者に対し、3回から5回で終了の施術目標で、関節のズレを復整し、骨格バランスを整え、身体内臓機能の活性化、健康回復予防する手伝いをします。
皆様には、若さと健康保ち、不老長寿で大いに活躍してもらいたいものです。
(次回は9月第1週号)
〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。
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