痛みは「迷い」の産物
痛みは、「あなたの生き方や心の混乱」から生じます。しっかりとした人生観を持ち、心に迷いや曇りなく前向きに生きている人は、体に痛みが起こりにくいものです。
反面、仕事や人生に行き詰まり、疑問や不安を抱えている人の体は生体反応で筋肉が硬直、関節や骨格がズレ、血流や神経が圧迫、免疫力が低下して、いつの間にか体調不良になり、痛みや不定愁訴が生じるものです。
病院での筋肉弛緩注射、針治療、ペデアトリスト、マッサージ、フィジカルセラピー、カイロなど一時的な対症療法を続けても、根本的な「自らの迷い」を払拭できない限り、何年も心身の痛みに耐えながら暮らすことになるでしょう。
導院センターの信念でもあるヒーリングの根本は、「体の内外(精神的/肉体的)の迷いを消し、新しい心身の中心基軸を確立する」ことです。そのためには迷いの産物である「(1)体の捩れやズレ」を土台(足腰)から治し、(2)心身の中心基軸を修理固成することです。(3)すると体全ての細胞や諸機能が古い行動様式から、「新基軸に基づいた新しい行動様式」に変わります。その過程で痛みや不定愁訴等が消失していくのです。以下は最近の実例です。
[実例]T氏(アジア系男性、70代):フロリダ在住の事業家Tさんは、だいぶ以前から仕事や事業上の行きずまりに悩んでいる。数年前から足が痛くて悩み続けてきた。特に最近の数カ月は、足が痛くて歩けず、しかも両足が硬直し痺れが走る、両膝関節が硬直して痛む、さらに足首の関節が痛んで夜も眠れないという症状。フロリダであらゆる病院や針、カイロ、ペデアトリストを訪ねたが、痛みは治らない。そこで、当院で腰痛が治ったニューヨーク在住の息子さんから話を聞いて、2週間の予定で来院された。診断すると、側弯症、背中上部に側弯/後弯あり。以前心臓のバイパス手術をしており、糖尿病により足に末梢動脈/神経疾患の兆候(足の冷え、痛み、皮膚の色調の変化)がある。ウォーキングなどで血糖値のコントロールが大切と伝える。
3回の施術予定であった。1度目の施術では、運動機能回復のために、まず痛みなく歩けるように、足首の痛み(足根関節転位だった)と膝関節のズレを整復した。2回目は、緩解指圧で体全体の筋肉硬直を緩め、骨盤のズレ(これが根本問題だった)、背骨のわん曲を整復して体の骨格バランスを整え、血液循環、運動機能を回復させた。すると体温が上がり、心機能も安定、楽に歩けるようになり喜んで帰宅された。
後日、3回目の施術を受ける前にTさんから電話があり、10年振りに身体が軽く楽になり、週末に歩き回ったが、体調が良いとのこと。2回目の施術ですっかり良くなったので、フロリダに帰るとのこと。晴れ晴れとした声からは、体の回復により心の不安要素をも取り除くきっかけとなったようにうかがえた。
(次回は11月第1週号)
〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。
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