体の片側が痛む/突っ張る!
最近、体を動かしたりしゃがんだりすると、肩周辺、脇腹や腰部周辺が硬直したり、痛みを訴える人が来院します。ひどい症状の場合、体の片側筋肉全体が慢性的に突っ張り、体が歪んだりしています。今回は体の正しいバランスを回復して、体の痛みや硬直を除去し、同時に再発を防止するための根本的な治療について説明いたします。(ただし強い圧迫感や胸苦しさ発熱発汗などがある場合には、内臓の問題も考えられますので専門家にご相談ください)
原因として考えられるのは、①打撲による肋骨のヒビ。たまにお風呂場で転んだり、運動による打撲で肋骨にヒビが入り来院される人もいますが、1、2日冷やす措置が必要で、良くなるまで1〜2カ月は安静にするしかありません。②肋間神経痛による痛み。胸椎周辺部の神経が骨に触れ圧迫されていて痛む患者を診ると、左右の肩の位置がチグハグで肋骨が不揃いの人が多いです。さらに③運動不足や日頃の不自然な姿勢によるの筋肉疲労などが挙げられます。しかしながら肋骨のヒビを除いては、最も多いのが骨盤転位が原因による全身の歪みやアンバランスから生じた体の痛みです。
このような症状で来院した人たちには、共通の特徴があります。それは体の左右骨格のバランスが崩れていたり、左右の骨盤の高さが3センチ以上も違う、腰が捻転したり、お尻が片側に傾いてしまう、脊椎の弯曲、左右肩の位置転位、左右の肩甲骨や肋骨の位置がズレれたり、歪んでいるのを多く見かけます。
まず慢性的に硬直した靭帯や筋肉を緩めるために緩解指圧、さらに骨格のナチュラルバランスを回復するため整体手技をします。その場合に最も注意をすることは、患者の年齢、骨密度(骨粗しょう症)、筋肉の硬化度、治療に対する患者の不安を考慮しつつ整体施術をすることが必要になります。施術上でプロとして大切な事は、患者の痛みが生じた根本的な原因を明確に説明し、その痛みの除去のみならず、痛みの原因を取り去るためにどうするか? 治療方針を明確に説明して、納得してもらいながら施術をすることです。時には生き方の問題や生活スタイルなどの精神の持ち方もアドバイスをすることになります。勿論、説明した通りの結果、痛みをなくす事は重要です。
[実例]マイケル氏(米国人男性):全米テレビメディアのマネジャーで巨漢体、体の構造に関してかなり詳しい人、インターネットで、自然治療で自分の症状に合う治療院を調べ来院。2カ月ほど前から、体の右全身の筋肉が硬直して痛みを感じていた。ここ2週間ほど体を動かすと特に、仕事中に痛くなり耐えきれなくなってきた。巨体を見てみると、腰を基軸にして体が「くの字」のように折れ曲がっていた。上半身の筋肉硬直があり上半身が右側に捻転していた。痛みの原因や整体による施術方法を詳細に説明して、まず準備として緩解指圧を行った。筋肉や靭帯の硬直を取り去った後に、整体施術により骨格整復をした。最後に実際に床を歩いてもらう。結果、スッカリ良くなり笑顔で帰る事が出来たのが印象的だった。
(次回は3月第1週号掲載)
〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。
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