日本社会で必要な丁寧な日本語
目上の人に対して丁寧語や敬称を使うよう心がける
日本語・日本文化体験学習プログラム「サマーキャンプ in ぎふ2015」第1期(米日教育交流協議会主催)が終了しました。このキャンプの実施は今年で10年目を迎え、これから実施予定の第2期も加えると、参加者数は200人を超えました。
今年のサマーキャンプは、開催地を第1期・第2期ともに岐阜県山県市に移し、参加対象も第1期は中学生と高校生、第2期は小学4〜6年生と中学生に限定しました。また、第1期・第2期共通の川遊びや農業体験、寺院体験、ホームステイのほか、第1期では学校体験に加え、企業見学や史跡見学などの体験学習を行い、第2期ではホストファミリーの子どもたちと一緒に、いかだを作って川下りをするというように、対象に合わせた活動内容にしています。
すでに終了した第1期の参加者は、高校生2人、中学生4人で、アメリカ在住者が3人、カナダ、香港、ベルギーが各1人です。いずれの子どもたちも日本語での会話は問題なく、参加者同士でも日本語で会話していたことには驚きました。これまでは、講師やスタッフには日本語で話しますが、食事中や自由時間には英語が飛び交いましたし、活動中でも英語での補助が必要な場合もありました。今回参加者した6人は、補習校での学習経験があり、4人は現在も継続していること、また、6人とも家庭でも母親とは日本語で会話していること、さらに英語が第一言語でない参加者がいたため共通言語が日本語であったことも影響しています。参加者にとっては第2言語の日本語で会話をすることは窮屈ではあったかもしれませんが、日本語力の向上に役立ったと思います。
このように日本語での会話は問題なかったのですが、丁寧語は使えない参加者が目立ちましたので、キャンプ中は、目上の人に対して丁寧な言葉で話すことを指導しました。特に、「お願いします」「ありがとうございました」という言葉を使うこと、目上の人には「○○さん」と敬称をつけることを習慣づけるようにしました。このような言葉を遣うことは面倒です。しかし、日本の学校や職場では一つ年次が上でも先輩となり、丁寧な言葉遣いや敬称で呼ぶことが必要なので、将来、日本で暮らしたり、日本企業で働いたりする時に役に立つはずです。サマーキャンプでの経験を通じて実践的な日本語力を身につけて、グローバルな社会で活躍する人材に育ってほしいです。
第2期には、19人の小中学生が参加します。どんな子どもが来るのか楽しみです。
(次回は8月第4週号掲載)
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