カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第120回
バックパック(リュックサック)やランドセルがどれだけ子供たちの背骨に負担になるのかご存知ですか?
子供の骨や筋肉、靭帯(じんたい)などはまだ、重いかばんを背負って引き起こされるアンバランスな重さに耐えられるほど育っていません。「小児整形外科ジャーナル」の研究によれば、重いバックパックやかばんを持ち続けることで腰痛がなかなか治らなかったり、肩がしびれたり、筋肉が痙攣(けいれん)したり、姿勢が悪くなると報告されています。私も、子供たちが重いバックパックやかばんのせいで腕がしびれたり(神経障害)、頭を前に突き出した姿勢が癖になっていたり、猫背(脊柱後弯=わん=)、そして脊柱側弯(そくわん)症を発症させている例を多く診てきました。
まずはどのようなバックパックを選んだら良いのでしょうか。基本的なことですが、重要ですので、子供のかばんを購入する際は以下のことを正しく見極めていただきたいと思います。
●子供の胴体に合わせた正しいサイズを選ぼう
バックパックの大きさは、子供の胴体より幅が広くても長くてもいけません。ウエストラインから10センチ以上も下にバックパックの底がぶら下がっていてはいけません。低い位置にぶら下がったバックパックは肩に掛かる負担を増やし、歩く時に前かがみになってしまいます。
●幅広のパッドや肩ストラップの付いたものを
パッドがないものやストラップが細いものは肩に食い込んで痛いだけでなく、首や肩の傷つきやすい筋肉に余計な負担を掛けます。ストラップは調整ができるものを。背中の一番強い部分(肩甲骨の間くらい)にバックパックが定着するようにします。いわゆる背中の真ん中にバックパックの中心部が来るよう調整しましょう。
●肩ストラップは両肩に掛けよう
重いバックパックを片方の肩だけに掛けると重心が片方に寄り、首や肩の筋肉の痙攣、腰痛、姿勢の崩れ、背骨の湾曲などの原因になります。重みは背中全体に均等に配分しましょう。
●背中にパッドの付いたものを
背中にパッドが入っていると重い中身を背負う負担が軽くなるだけでなく、学用品(鉛筆、定規、ノート、はさみなど)の角や先端が背中に当たるのを防いでくれます。
●軽くて仕切りの多いものを選ぼう
まだ空なのに重いバックパックは体に余計な負担を掛けるだけです。また、仕切りが多いと中に入れる本や学用品の重さを均等に配分でき、角やとがった部分のある物は背中に当たらない場所に入れることができます。重い物はなるべく体に近い所に配置するのがコツです。
(次回は5月14日号掲載)
〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞