〈コラム〉「いびき」について 最終章 一つの症状についてもさまざまなアプローチがある

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カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第119回

この度、4回にわたり「いびき」について連載してきました。それだけいびきに悩まされている方が多く、解決策が少ないうえに、放っておくと大病につながる危険性のある症状なのです。解決に向かうには、まずいびきの原因を知ることです。

ノドの空間が狭くなること、またノドを支える周囲の筋力が低下することが、いびきの原因となります。睡眠中にいびきをかくのは、筋肉が弱まってしまうためでもあるため、筋肉の働きを正常に保つといびきは改善されます。首の骨は七つありますが、その七つの骨のラインを正常に保つことで首の回りの筋肉のバランスがとれ、いわゆるノドの周囲の筋肉の働きが回復します。つまり、いびきを治したり予防するためには頚椎=けいつい=(首の骨)を整えることが大切なのです。

さらに、私たちが注目しているのは副鼻腔の状態です。サイナス(副鼻腔)・テクニックと呼ばれる施術を用いて、副鼻腔の血液や粘膜の循環を増進することで、鼻の通りを良くし、蓄膿症が改善され、いびきが軽減されます。さらに、アゴや顔の歪みを整えることもいびきの改善に役立ちます。

もちろん、カイロプラクティックだけでは改善されない、いびきもあります。例えば、肥満の場合は減量すること、口呼吸の人は日常生活で鼻呼吸を意識すること、寝る姿勢を気をつけて首に良い枕を使用することや、横向きで寝てみるなどの個人の努力が必要です。また、鼻や喉の疾患がある人は、耳鼻科に相談しながら同時に治療を確立する必要があるでしょう。また、アルコールはノドの筋肉の働きを低下させるため、お酒を控えることもいびきの予防につながります。

これまでの診療で、「呼吸がしやすくなった」「深い呼吸ができるようになった」「鼻呼吸がスムーズにできるようになった」「鼻炎が発症しなくなった」などの声が次々と挙げられています。一つの症状についてもさまざまなアプローチがある点を理解してもらえれば幸いです。
(次回は4月23日号掲載)
MikaIshitani〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞

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