ESTAの申請を変更
ビザ免除プログラム(VWP)は、日本を含む38カ国の市民に、ビザなしで米国に渡航することを許可するもので、年に2千万人の渡航者があります。テロリスト、重度の犯罪者や潜在的に危険な個人を検知し、米国への入国を防ぐために、VWPは幾層もの安全保障システムを用いています。すべてのVWP渡航者はテロ防止目的の審査を受け、米国国土安全保障省(DHS)の電子渡航認証システム(ESTA)を通じて許可を得る必要があります。ESTAを通じてDHSは、その個人が飛行機に搭乗する前に、米国の安全保障にとってリスクがあるかどうかを評価します。安全保障を改善し、米国に脅威をもたらしうる個人を特定するために、システムは繰り返し強化されてきました。最近ではシステムの強化は2014年11月と2015年8月に行われています。
パリとサンバーナーディーノの攻撃を受けて、2015年12月1日にDHSは、VWPの安全保障システムの新たな強化を発表しました。
VWP渡航者からテロリストの保護地域となる国々への過去の渡航歴の情報を得るよう、DHSはただちにESTAの申請を変更します。
米国政府機関は、米国とVWPのパートナー国の間でテロの情報共有を円滑にする援助を行います。
下院でVWPの安全保障を強化する法案が通過
2015年12月9日、下院はVWPに対する安全保障の要件の追加を可決しました。この法案は、2016年4月1日までにすべてのVWP渡航者に対して生体認証機能のチップを備えたeパスポートの提示を求めるものです。また2011年3月以降にイラクとシリアを訪れたほとんどの渡航者に対して、VWPで米国に入国することを禁ずることになり、面接を含む正式なビザ申請プロセスを求めることになります。VWP国のための従軍目的やフルタイムの政府の雇用で公式な任務を果たすためにそれらの国々を訪れた人には例外の措置があります。
立法の意味すること
下院法案がそのまま制定されると、VWP渡航者は生体認証機能のチップを備えたeパスポートが必要になります。このパスポートは日本を含むすべてのVWP国が発行しています。しかし古いパスポートは生体認証チップを含んでいないため、VWPを利用して米国に渡航する前に新しいパスポートを申請することが必要になるでしょう。ESTAの登録は引き続き必要です。
同様の法案は上院でも導入されています。
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(次回は2月第4週号掲載)
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