「屋号証明書」を届出、ニューヨーク州に登録をする義務
ニューヨーク州法では、C法人、LLC又はLLP等の企業体は、ニューヨーク州(New York State Department of State)に登記した会社名を使ってビジネスを運営する義務があります。しかし、特に小売店の多くは、「屋号」あるいは「商号」で商売をする事を望みます。これは、一般消費者に、法的に登記された名称以外の「屋号」や「商号」で知られているからです。このような「屋号」や「商号」は、しばしば“DBA(doing business as)”と称されます。
ニューヨーク州でDBAを使って営業したい企業体は、「屋号証明書」の届出をし、同州に登録をする義務があります。この届出は、一般事業法の第130条に従って行わなければなりません。
ニューヨーク州で企業体の登録をしていない単独事業主又はパートナーシップがDBAでの営業を希望する場合、営業をする各ニューヨーク州の郡に「事業証明書」の届出をしなければなりません。繰り返しますが、この届出は、一般事業法の第130条に従って行う必要があります。
屋号証明書又は事業証明書の届出を適切な役所に出さないと、罰則の対象となります。例えば、もし貴方の会社が未登記の屋号を使ってビジネスの契約交わしたとします。後日、もし契約下の権利についての訴訟手続きを起こす場合、DBAが未登記であると、DBA名義の契約下にある権利に対する訴訟の妨げとなるかもしれません。従って、屋号証明書又は事業証明書が正式に登記されるまでは、DBAではなく、登記された会社名でしか訴訟手続きを続けることはできません。未登記のDBA名義で契約に入ってしまうと、問題となります。さらに、屋号証明書又は事業証明書の登録義務に故意に従わない者は、ニューヨーク州企業法第130条(9)による軽罪に問われます。
DBAを使用してビジネスを行う場合は、屋号証明書又は事業証明書の謄本、また名前に修正があった場合は、最新の修正証明書を保管し、実際にビジネスを行う各店舗の目立つ場所に掲げる義務があります。
このように、ニューヨーク州又は郡への登記が正式に済むまでは、DBAの使用をせず、またDBA名義の契約も交わさないことです。
〈今週の執筆者〉(弁護士 マリアン・ディクソン)
(お断り)本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。法的アドバイスが必要な方は弁護士・法律事務所へ直接ご相談されることをお勧めします。
(次回は7月第1週号掲載)
〈今週の執筆事務所〉Miki Dixon & Presseau 法律事務所
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