〈コラム〉日本語の本を読むことの重要性について

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在米保護者への教育コラム 第14回

駿台 NJ校校舎長 山名健太

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著者近影

在米中にお子様の英語力を伸ばしたいというお話をよく耳にします。たしかに、受験においても英語を重視している学校は多く見られますし、英語を身につけていれば将来的に社会で活躍できる機会は増えるでしょう。しかし、英語はあくまでも手段であって、饒舌でも中身が伴っていないと意味がありません。日本人として、日本国内あるいは世界で活躍していくためには、日本語で物事を論理的に考える力や知識を深めていくことが重要なのではないでしょうか。では、学校や習い事などで忙しい中、どのようしてそうした力を伸ばしていけばいいのでしょうか。そこで、私が強調したいのが日本語の本を読む重要性です。

日本語の本といっても、漫画や絵本は除くものとします。小学生や中学生の場合、中学受験や高校受験で出題されているような作品を読むといいでしょう。文学的文章では、重松清、あさのあつこ、瀬尾まいこといった作者の本が読みやすいかと思います。説明的文章では、外山滋比古、鷲田清一、日高敏隆といった作者の本をお薦めします。

読書の注意点としては、まず一つのジャンルに偏らないことです。小中学生の場合、どうしても文庫に偏向します。月に4冊の本を読むのであれば、そのうちの1冊でもいいので新書を取り入れてみましょう。新書を読むことは、文庫よりも知識を得る上で、また要約力を鍛える上で効果的です。

次に、お子様が本を読み終えた後には、是非その本がどういう内容だったかを聞いてみてください。「まあ、よかった」「なんか、暗い話だった」といった漠然とした答えが返ってきたときは、最初は大まかでいいので、前半・中盤・後半と順番にどういった内容だったかを質問してあげてください。そうすることで、要約力がついていきます。要約に慣れていないお子様の場合、読みながら重要な箇所に線を引くことをおすすめします。その線を引いた箇所を繋ぎ合わせたものが要約になります。

在米日本人のお子様は、特に読書の必要性を感じます。アメリカで生活しながら、国語力を維持するため、さらに伸ばしていくためには、日々の生活の中に日本語の本を読む習慣を取り入れることが必要不可欠なのです。

(次回は9月第3週号掲載)

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