カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第129回
カイロプラクティックの背骨と骨盤の矯正で逆子がどうやってなおるの?と疑問を持たれる方もいることでしょう。私はICPA(国際小児カイロプラクティック協会)の認定医ですが、さまざまな妊婦や乳幼児の体について勉強しています。また妊娠出産を経験し、妊娠中のカイロプラクティックの施術がどれだけ母体によい影響を与えることができるのか経験しました。その中で、私ができることをぜひお伝えしたいと感じています。
逆子とは胎児がお母さんの子宮内で胎児の頭と足の体位が逆向きになっていることです。通常は、「頭位」とよばれ、頭の重さで胎児の頭は、お母さんの子宮内の下に来ます。それが逆さになり胎児の頭が上向きに来ている場合のことを骨盤位とよび、胎児の足がお母さんの子宮内の下に来てしまいます。その他にも、殿位、足位、横位とよばれる胎児の位置関係がありますが、ベストのポジションは頭位です。
胎児がまだ小さいうちは子宮内でくるくるいろいろな向きに回っています。それはまったく問題がありません。通常はだいたい28週目前後から胎児の成長とともに頭の重さで自然と頭位になるわけです。この時期に頭位になっていないと逆子とよばれる状態になってしまいます。30週目くらいから胎児も大きくなり以前のように子宮内をくるくる回れなくなってきます。30週目を過ぎても胎児が頭位になっている場合、真剣に逆子を治すよう考えるべきです。
逆子の場合、まず自然分娩をするにはリスクが高く、経験のある助産師でない場合、一般の病院で産婦人科医による出産の場合、自然分娩を拒否される場合がほとんどです。なぜなら、破水しやすかったり、難産になりやすかったり、赤ちゃんが低酸素状態に陥りやすく仮死状態になることも考えられるからです。その為、逆子の場合帝王切開での出産を薦められる確率が高くなります。帝王切開になると大きくお腹を切る手術になりますので、母子共に大変な負担が掛かります。
私は“逆子”を治せる、という言い方よりも、母体がカイロプラクティックの特殊な施術を受けた後、赤ちゃんが、“勝手に回ってくれる”という言い方が正しいような気がします。施術法は、お腹を押したりする痛い方法ではなく、やさしく母体の骨盤や仙骨、腰などの靭帯(じんたい)を緩めて関節の向きを少しずつ変える方法です。
逆子でお悩みの方、ぜひご相談ください。
(次回は9月24日号掲載)
〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞。2015「Bergen’s Top Chiropractor」受賞。