カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第125回
前回は、たばこと腰痛の関係についてお話ししました。今回はそれぞれの物質の弊害と体への影響、何がカイロプラクティックでできるのかという事をお話しします。
ニコチンは、血管を収縮させたり、心拍数を増やしたり、中枢神経を刺激することで自律神経が乱れます。そして、結果的には血液がドロドロになることで、疲労物質が体に溜まりやすくなり、疲れが取れにくい体になります。その結果、動脈硬化、心臓病、脳梗塞などの死に至る病気の確率が高まります。そして、死に至らないまでも、ニコチンは骨と骨をつなぐ椎間板を老化させるという研究結果も報告されています。たばこの害は、骨や椎間板の老化を進行させ、背骨の間が狭くなり、神経の出口を詰まらせます。そして、神経が圧迫されやすい状態を招きます。そのため、腰痛や首痛、背中痛などさまざまな痛みが慢性化されてしまいます。そして、慢性化された痛みは、精神的な障害も招きかねません。
次に、タールについてですが、タールは発がん作用があります。そして、一酸化炭素(CO)は酸素の200倍もヘモグロビンと結合しやすいため、体が酸性化することで細胞の老化を早めます。そして、皆さまもご存知のように、たばこは肺の機能を低下させます。肺の機能が低下すると呼吸が浅くなり、さらに背骨の柔軟性も低下します。その結果、酸素不足と柔軟性低下によって背中や肩のコリや痛みが引き起こされます。たばこを吸う方に多い症状として、背中が固い、休息時でも背中のコリが取れなくて痛む、肩甲骨の内側の痛み、疲労が抜けないなどが挙げられます。
カイロプラクターの目的は背骨の矯正により、体の機能を高めることです。体の機能を高めるためには、背骨の中を通る神経の働きが重要になります。背骨の配列を整えることで、神経の働きが活発になり、体の自然治癒能力が発揮されます。また、矯正をすることにより、背骨の周りの筋肉や血流にも良い影響があり、痛みや疲労回復にとても効果的です。
まずは、今すぐ禁煙することですが、たぶんそれは相当大変なことでしょう。禁煙できる体になるために、そして疲労回復や痛みを軽減するために、ぜひカイロプラクティック治療をお勧めします。人生の質を高めるために、早い段階で禁煙できる方向へアドバイスいたします。
(次回は7月23日号掲載)
〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞。2015「Bergen’s Top Chiropractor」受賞。